HOYAサービスは2017年10月30日、ホシデンと協業してリストバンド型端末を活用したクラウドサービスを提供すると発表した。端末には、ホシデンが開発した「MEDiTAG(メディタグ)」を採用する。ホシデン自身もMEDiTAGを利用したクラウドサービスを提供するが、HOYAサービスは異なる機能を持つサービスを提供する。サービスの提供開始は12月18日の予定。
図 、ホシデンが開発したリストバンド型端末「MEDiTAG」のイメージ
出所 ホシデン
MEDiTAGは、Bluetooth Low Energy(BLE)の通信機能を搭載しており、内蔵するセンサーの検出値をスマートフォンとのBLE通信を経由してクラウドに送り出す。内蔵するセンサーはジャイロ、加速度、コンパス、気圧センサー、光学脈波センサーの5種類。光学脈波センサーとは、皮膚の上からLED光を体内に照射し、その反射光の量で脈波を検知するもの。血中のヘモグロビンが光を吸収する性質を利用している。
そしてこのセンサーは複数のセンサーの検出値を組み合わせることで、人の動きをより細かく検出できる。加速度センサーと気圧センサーの検出値を組み合わせると、装着した人が転倒したことを検出できるという。また、情報の中継役となるスマートフォンのGNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)を利用することで、クラウドに送信するデータに位置情報を付加できる。
HOYAサービスはこの端末を活用して、4種類のクラウドサービスの提供を予定している。1つ目は小児の行動把握を可能にするサービス。忙しく動き回る小児の行動状態と現在位置を把握可能にし、その状態に応じて家族に警報を発する。迷子や事故の発生を防止するためのサービスだ。
2つ目は高齢者の行動把握を可能にするサービス。遠方で暮らす両親や親戚などの高齢者の行動を把握する。転倒を検知するだけでなく、センサーの検出値を分析して体調の急変の可能性も検出し、異常発生時にはサービス利用者に通知する。
3つ目は健康状態の管理。脈拍数だけでなく、活動量や消費カロリーも各センサーの検出値から分析する。運動による健康維持に取り組んでいる人に向けたサービスだ。また、このサービスでは睡眠状態や日々感じているストレスの強さも分析して、利用者に提示するとしている。
4つ目は、従業員の健康管理。それぞれの従業員の健康状態やストレス強度を分析し、転倒などの事故が発生したときには警告を発し、素早く救助活動に移れるように支援することで、労働災害の防止を狙う。