KDDIは2018年1月29日、法人顧客向けにセルラーLPWA(LTE Cat. M1:LTE-M)の通信サービス「KDDI IoT通信サービス LPWA(LTE-M)」の提供を始めた。合わせて、LTE Cat.M1対応の小型通信モジュール「KYW01」の販売も開始した。KDDIは2017年11月に、2018年1月からセルラーLPWAのサービスを開始すると予告していたが、ぎりぎりで予告に間に合った(参考記事)。
図 KDDIが提供するLTE Cat.M1通信モジュール「KYW01」。左が表面で、右が裏面。大きさはおよそ2cm四方
出所 KDDI
今回利用する通信方式であるLTE Cat. M1は、通信速度を上り下りともに最大1Mbpsまで抑え、標準的なLTEでは20MHz幅の周波数帯域で通信するところを、この幅を1.4MHzまで狭めて、消費電力と通信モジュールのコストを削減した方式だ。
さらに、一旦信号を受信したらスリープ状態に入って消費電力を削減する「eDRX(extended Discontinuous Reception)」や、事前に設定した時間帯に、電波の探索を止める「PSM(Power Saving Mode)」機能も採用して、通信モジュールの消費電力量のさらなら削減を狙う。KDDIはこれらの技術を駆使することで、単3電池2本分の電力で10年以上に渡って通信機能を維持できる例もあるとしている。
KDDIは加えて、IoT端末を管理する機能を提供するサービス「KDDI IoTコネクト デバイス管理」の名称を変更し、LTE Cat.M1に対応する機能を加えた「KDDI IoTクラウド デバイス管理」の提供も始めた。このサービスは主に4種類の機能を提供する。1つ目は個々の端末の回線状態の確認と管理。ネットワークのセッション状態や電波受信状態、省電力モードの設定などを遠隔地から管理できる。
2つ目は、IoT端末の状態管理。端末の蓄電池残量や電源投入からの経過時間、各種設定状態などを確認できる。さらに、蓄電池残量が少なくなるなどの非常時にはアラームを鳴らすように設定できる。
3つ目は、IoT端末の遠隔設定。省電力モードの設定などを遠隔地から変更できる。4つ目は、遠隔からのファームウェア更新。IoT端末のソフトウェアだけでなく、KDDIが提供している通信モジュールの遠隔更新も可能。更新ソフトウェアを配信する際には、ネットワークの混雑状況を自動的に認識し、効率良く配信するという。
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KDDI