NTTドコモは2018年9月26日、IoT端末向け通信サービス「LTE-M(Cat.M1)」の提供を10月1日から提供すると発表した。LTE-Mは端末の消費電力を抑えながら長距離通信を可能にするLPWA(Low Power Wide Area)通信方式の1つ。携帯電話の通信技術であるLTEを活用した「セルラーLPWA」の1種であり、携帯電話通信事業者が設置した基地局を流用できる。LoRaWANのように、ユーザーが基地局を設置する必要はない。国内ではKDDIが2018年1月末からLTE-Mの通信サービスを提供している(参考記事)。NTTドコモも実証実験を実施し、本サービス開始に向けて準備を進めていた(参考記事)。
図 LTE-Mは、センサー端末のために商用電源を用意できない環境での利用に適している
出所 NTTドコモ
LTE-Mは、通信速度を上り下りともに最大1Mbpsに抑え、通信時に使用する周波数帯域を、標準的なLTEの20MHz幅から1.4MHzまで狭めて、消費電力と通信モジュールのコストを削減した無線通信方式だ。ただし、今回NTTドコモが提供するサービスでは、最大通信速度が下り300kbps/上り375kbpsとなる。
料金プランは、NTTドコモが2017年10月から提供している「IoTプラン」「IoTプランHS」を適用する。このプランは従量課金の上限額に達すると、以降は無料で通信可能とするプランだ。ただしIoTプランHSでは、通信データ量が3Gバイトを超えると通信速度が送受信最大128kbpsまで下がる。
図 NTTドコモが発表した「IoTプラン」「IoTプランHS」の料金体系
料金プラン | 基本使用料(月額) | 無料通信分 | 従量課金の通信単価 | 従量課金の上限額 | 通信速度 | |
IoTプラン | 2年定額契約あり | 400円 | 922円分(約30Mバイト) | 1Kバイト当たり0.03円 | 1200円 | 送受信最大128kbps |
2年定額契約なし | 800円 | 922円分(約30Mバイト) | 1600円 | |||
IoTプランHS | 2年定額契約あり | 600円 | 4608円分(150Mバイト) | 2900円 | 標準的なLTEの速度(3Gバイトを超えると送受信最大128kbps) | |
2年定額契約なし | 1000円 | 4608円分(150Mバイト) | 3300円 |
出所 NTTドコモ
NTTドコモはLTE-Mのサービスを東京都、大阪府、千葉県の一部エリアから開始し、2019年3月末までにはサービスエリアをLTEサービスと同等まで広げる予定を明かしている。
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NTTドコモ