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GE、大規模定置型蓄電池の新製品を発表―Teslaなどのライバルに対抗

2018/03/07
(水)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

アメリカGeneral Electric(GE)は、大規模定置型蓄電池の新製品「GE Reservoir」を発表した。

アメリカGeneral Electric(GE)は2018年3月7日(アメリカ東部標準時)、大規模定置型蓄電池の新製品「GE Reservoir」を発表した。20フィートコンテナにリチウムイオン蓄電池を詰め込んだもので、最大出力は1.2MW(1200kW)。蓄電容量は4MWh(4000kWh)。出力や蓄電容量は用途や顧客の要望に応じて減らすことも可能。GEは将来GE Reservoirを、出力20MW(2万kW)、蓄電容量80MWh(8万kWh)まで拡張する構想を持っている。

図 「GE Reservoir」のカットモデル。リチウムイオン蓄電池セルを詰め込んだ板状のモジュールを、積み重ねるように詰め込んでいる

図 「GE Reservoir」のカットモデル。リチウムイオン蓄電池セルを詰め込んだ板状のモジュールを、積み重ねるように詰め込んでいる

出所 General Electric

GE Reservoirの内部には、リチウムイオン蓄電池セルを詰め込んだ板状のモジュールが積み重なっている。GEはこのモジュールを「Battery Blade」と呼んでおり、この構造を採用することで、高いエネルギー密度を達成できたとしている。

そして、Battery Bradeへの充電状況を制御し、それぞれのBattery Bradeを保護する「Blade Protection Unit(BPU)」を搭載している。GEはBPUの働きによって、他社製品に比べて蓄電池モジュールの寿命を15%延ばしたとしている。加えて、効率が高い冷却機構も搭載している。GE Reservoirは注文を受けたら工場で組み立てて、コンテナ単位で設置現場に持ち込む形を採る。このため、設置工事の期間を短縮できるという利点がある。

大規模蓄電池市場では、Teslaがオーストラリアに世界最大規模の蓄電施設を建設したり(参考記事)、ドイツSiemensとアメリカAESが大規模蓄電池專門の新会社を共同で設立するなど(参考記事)、競争が激化している。

風力や太陽光といった不安定な再生可能エネルギーによる発電所が今後も普及し、電力系統への影響を抑えるために大規模蓄電池の需要が高まると見ているからだ。また、地域の蓄電池や小規模な発電設備を束ねて仮想的な発電所を構成するVPP(Virtual Power Plant)を構築する動きが本格化すれば、大規模蓄電池の需要はさらに高まるだろう。GEは今回発表したGE Reservoirによって、大規模蓄電池の市場で大きなシェアを狙う。


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General Electric

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