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イギリスの石油大手BP、サウスダコタ州で運営中の風力発電所にTeslaの定置型蓄電池を採用

2018/04/13
(金)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

イギリスの石油大手BPは、同社が運営中の風力発電所にTeslaの定置型リチウムイオン蓄電池を導入すると発表した。

イギリスの石油大手BPは2018年4月10日(西ヨーロッパ時間)、同社がアメリカ・サウスダコタ州で運営中の風力発電所にTeslaの定置型リチウムイオン蓄電池を導入すると発表した。設置工事は2018年の後半に開始する予定。

図 Teslaの定置型リチウムイオン蓄電池「Powerpack 2」

図 Teslaの定置型リチウムイオン蓄電池「Powerpack 2」

出所 Tesla

BPがTeslaのリチウムイオン蓄電池を設置するのは、サウスダコタ州で運営中の風力発電所「Titan 1 Wind Farm」。出力2.5MW(2500kW)の風力発電設備が10基稼働しており、発電所の合計出力は25MW(2万5000kW)となる。アメリカの一般世帯の消費電力にすると、およそ6700世帯の電力を発電する。

World Energy Council(世界エネルギー会議)の2014年の調査によると、アメリカにおける1世帯あたりの年間電力消費量は平均で1万2305kWh。この数字をそのまま当てはめると、年間発電量はおよそ82.4GWh(8244万3500kW)。設備利用率を計算するとだいたい37.6%程度になる。

ここに設置する定置型蓄電池は、出力が212kWで、蓄電容量が840kWhのもの。BPは、蓄電池が動作を始めれば、風が弱くて風力発電設備が発電していない時間帯も、電力需要に応えられるようになると期待している。また、BPが運営するほかの風力発電所で蓄電池を採用することになったときに、今回設置する蓄電池が残す各種データを分析することで、蓄電池をより効率よく活用できるとも期待しているという。

BPは、アメリカ国内14カ所に風力発電所を保有しており、その出力を合計すると4259.4MW(425万9400kW)に達する。BPは再生可能エネルギーの開発のために、年間5億ドル(535億円:1ドル=107円で換算)を投資するなど、風力発電所や太陽光発電所の建設、バイオガスの研究開発に積極的に取り組んでいる。


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BP

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