東京電力フュエル&パワー(東電F&P)は2018年3月13日、「富津火力発電所」(千葉県富津市新富:しんとみ)の設備更新工事が一部完了したと発表した。設備更新工事の対象は1号系列から4号系列まであるうちの、1986年11月稼働開始の1号系列と、1988年11月稼働開始の2号系列。最新設備に入れ替えることで、発電効率の向上と燃料費の削減、CO2排出量の低減を目指している。具体的には、液化天然ガス(Liquefied Natural Gas:LNG)を燃料とするガスタービンコンバインドサイクル発電設備の、ガスタービンと蒸気タービンをセットにした「軸」を最新のものに交換する工事となる。
図 富津火力発電所の全景
出所 東京電力フュエル&パワー
今回交換したのは、2号系列の「第2軸」。工事によって発電出力は165MW(16万5000kW)から160MW(16万kW)に下がるが、発電効率が47.2%から54.3%に上がる。その結果、年間の燃料費を12億円節減できる見通し。年間CO2排出量はおよそ6万トン削減できるという。
富津火力発電所の1号系列には6つの軸があり、2号系列には7つの軸がある。東電F&Pは富津火力発電所の設備更新工事を2016年7月から開始し、2017年12月までに合計6軸の交換工事を完了させている(参考記事)。今回の工事は7軸目の交換となった。
東電F&Pは今後、5月に1号系列の第3軸、8月に2号系列の第4軸、2019年1月に1号系列の第6軸、3月に2号系列の第6軸、5月に1号系列の第5軸、8月に2号系列の第4軸というスケジュールで交換工事を進める予定を立てている。ほかのガスタービンコンバインドサイクル発電所でも設備交換工事を進めており、2017年12月には「横浜火力発電所」(神奈川県横浜市鶴見区)の工事を完了させている(参考記事)。横浜火力発電所では合計8軸を交換した。その結果、年間の燃料費をおよそ80億円節減し、年間CO2排出量をおよそ24万トン削減したとしている。
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