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Daimler、EVバスの新製品「Mercedes-Benz eCitaro」を発表―全固体電池搭載車種も開発中

2018/07/10
(火)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

Daimlerは、電動バス(EVバス)の新製品「Mercedes-Benz eCitaro」を発表した。

Daimlerは2018年7月10日(中央ヨーロッパ時間)、電動バス(EVバス)の新製品「Mercedes-Benz eCitaro」(eCitaro)を発表した。世界に広く普及している「Mercedes-Benz Citaro」(Citaro)の車台を利用して開発した車両だ。2018年末に量産開始の予定。すでに3社から、合計で少なくとも35台の注文を受けているという。

図 Daimlerが発表したEVバスの新製品「Mercedes-Benz eCitaro」

図 Daimlerが発表したEVバスの新製品「Mercedes-Benz eCitaro」

出所 Daimler

eCitaroは、都市内の比較的短距離を移動する路線バスを想定して開発したもの。電源となる蓄電池には、正極材にニッケル、マンガン、コバルト(三元系:NMC)を使用したリチウムイオン蓄電池を採用している。蓄電池はモジュール単位で搭載可能で、モジュール1つ当たりの蓄電容量は25kWh。標準では車体左後部に4つ、車体前方の屋根に2つのモジュールを搭載する。ただし、屋根部分には最大で6つのモジュールを搭載可能で、車体後部の4つと合計して10のモジュールを載せられる。6つの蓄電池モジュールを搭載できる屋根部分は前輪の車軸の真上に位置するように設計してあり、この車軸は車体や蓄電池モジュール、乗客など合計で8トンまで支えられる設計になっているという。

図 車体左後部と車体前方の屋根に蓄電池モジュールを搭載する

図 車体左後部と車体前方の屋根に蓄電池モジュールを搭載する

出所 Daimler

駆動機構は後輪駆動で、2つの後輪のハブと一体化したモーターを搭載している。モーターの出力は1基当たり125kWで、トルクは485Nm。2つのモーターを合計すると、出力は250kWで、トルクは970Nmとなる。

そして、消費電力を節約するためにヒートポンプを利用するエアコンや、乗客の数、バスの停車間隔などに応じて換気量を自動で調整する機構などを搭載した。その結果、エンジンで駆動する従来のCitaroに比べて、空調機器で消費するエネルギーを40%まで抑えたという。

Daimlerは満充電状態からの航続距離を真夏なら150km程度、空調機器をほとんど使う必要がない季節なら250km程度としている。この航続距離を考えると、現在世界中を走行しているバスのおよそ3分の1をeCitaroに置き換え可能だとしている。

Daimlerは航続距離を伸ばすために、蓄電池の改良も進めている。正極材で使用しているニッケル、マンガン、コバルトの比率を変えて、2年後にはモジュール当たりの蓄電容量を33kWhまで上げるとしている。モジュールを10個搭載すれば蓄電容量合計は330kWhとなる。Daimlerはこれでエンジンで駆動するバスの半分をeCitaroで置き換え可能になると見ている。ちなみに33kWhのモジュールは、2018年末から量産が始まる車種にも搭載可能。モジュールを入れ替えることで航続距離を大きく伸ばせる。

さらにDaimlerはeCitaroに搭載する全固体電池も開発している。現在のところ、eCitaro用の全固体電池は、リチウムイオン蓄電池モジュールとは大きさや形状が変わる見込みで、そのまま交換することはできないという。そして、全固体電池搭載のeCitaroは合計の蓄電容量が400kWhまで上がる予定だ。Daimlerはこれで、既存のバスの70%を置き換え可能になるとしている。

Daimlerはほかにも、航続距離を伸ばすために(レンジエクステンダー)eCitaroに燃料電池を搭載することも予定しているという。燃料電池を搭載すれば充電時間の問題が事実上なくなるため、Daimlerは既存のバスすべてを置き換え可能になると見込んでいる。


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Daimler

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