国立大学法人東京大学、日本ユニシス、関西電力、三菱UFJ銀行は2018年10月15日、太陽光発電システムの余剰電力を消費者に直接販売可能とし、売買価格も決めるシステムの実証研究を開始した。自宅に太陽光発電システムを設置し、発電電力を自家消費している世帯が、余剰電力をほかの世帯に販売する際に、電力会社を介さずに、直接取引ができ、適切な売買価格を決めるシステムの構築と、そのシステムにブロックチェーンを応用する可能性を研究する。関西電力の巽実験センター内に実証環境を構築して試験的に運用し、その結果を評価し、実用化に向けた課題を洗い出す。2019年3月31日まで続ける。
図 関西電力の巽実験センター内に構築する実証環境
出所 関西電力
実証環境では太陽光発電システムを設置し、余剰電力の売電を希望する世帯(プロシューマー)の販売希望価格と、買電を希望する世帯の買い取り希望価格を見て、複数の方式で取引価格を決めて、取引を成立させて送電する。さらに、毎回の取引履歴をサーバーに送信し、ブロックチェーンに記録する。
図 今回の実証で使用する予定の価格決定方式
出所 関西電力
システムの開発は日本ユニシスが担当し、関西電力は実験環境用地を提供し、実証システムの構築と実証の実務を担当する。三菱UFJ銀行は決済や取引にブロックチェーンを応用する方法について助言する。東京大学は研究を評価し総括する予定だ。今後は、一般家庭での検証や、金融機関との連携などより実用的な実証研究につなげたいとしている。