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豊田通商と中部電力、電気自動車から送電系統に電力を供給する実証試験実施へ

2018/11/07
(水)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

豊田通商と中部電力は、電気自動車(EV)内蔵の蓄電池を電力系統に接続して充放電するV2G(Vehicle to Grid)技術の実証試験を実施すると発表した。

豊田通商と中部電力は2018年11月7日、電気自動車(EV)内蔵の蓄電池を電力系統に接続して充放電するV2G(Vehicle to Grid)技術の実証試験を実施すると発表した。実証試験は2018年11月14日~16日と12月12日~14日の2回、豊田市民文化会館(愛知県豊田市)駐車場で実施する。駐車中のEVの蓄電池を送電周波数の調整や、再エネ電力の余剰発電分の吸収に利用し、V2Gが送電系統に与える影響を確認する。

図 電気自動車が内蔵する蓄電池を送電周波数の調整や再エネの余剰発電吸収に利用する

図 電気自動車が内蔵する蓄電池を送電周波数の調整や再エネの余剰発電吸収に利用する

出所 中部電力

実証試験を実施する2社は2018年5月から、愛知県豊田市内でEVを利用したV2GおよびVPP(Virtual Power Plant)の検証を続けている(参考記事)。この検証では、アメリカNuvveが開発したV2G技術を活用している。今回の実証試験では豊田通商とNuvveと共同で構築したV2G制御システムと、連携する充放電器を利用する。

今回の実証試験では特に、指令に対して素早く応答する必要がある送電周波数の調整への活用可能性を検証するとしている。同時に、送電系統に計測器を設置してEVの充放電器から電力を供給することによる送電系統への影響を検証する。

実証試験終了後は、結果を基にV2G活用に向けた課題などをまとめた文書を作成し、2019年2月に資源エネルギー庁に報告するとしている。中部電力は送配電事業者としてV2Gによる送電系統への影響を評価し、新たな調整力の確保に繋げたいと考えている。豊田通商は、アグリゲーターとしてV2G制御システムを活用して、調整力の提供や再エネ電力の吸収などの新たなサービスの開発を目指す。


■リンク
豊田通商
中部電力

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