Renault、日産自動車、三菱自動車工業の3社連合は2018年11月13日(中央ヨーロッパ時間)、アメリカEnevateに投資したと発表した。Enevateはわずか5分で電気自動車(EV)を約390km走行させるだけの電力を急速充電できるリチウムイオン蓄電池セルを研究開発しているベンチャーだ。リチウムイオン蓄電池では一般に、陰極には黒鉛を使用する。黒鉛に10%未満のシリコンを混入させて性能を向上させる手法も存在するが、Enevateは陰極にシリコンを70%以上含有する陰極を使用し、急速充電性能とエネルギー密度を向上させている。Enevateはこの技術を「HD-Energy Technology」と呼んでいる。
図 Enevateが「HD-Energy Technology」を活用して試作したリチウムイオン蓄電池セル
出所 Enevate
今回の投資は3社連合のベンチャーキャピタルファンドである「アライアンス・ベンチャーズ」を通して実施した。3社はEnevateの技術が広く普及すれば、ガソリン車の給油と同程度の時間で長距離走行に必要な電力を急速充電できると期待して投資に踏み切ったとしている。
Enevateは今後、世界中の電気自動車メーカーや蓄電池メーカーなどにHD-Energy Technologyのライセンスを供与し、短期間でこの技術を搭載する車両の生産台数を拡大することを狙っている。さらに、次世代の機能も積極的に取り入れていく方針を示している。