京セラコミュニケーションシステム(KCCS)は2018年12月3日、同社が提供しているLPWA(Low Power Wide Area)通信サービス「Sigfox」のサービスエリアが人口カバー率にして90%まで拡大したと発表した。SigfoxはフランスSigfoxが開発したもので、通信免許が不要な920MHz帯の無線を利用して、最大で数十kmの通信を実現する。通信速度は100ビット/秒で、上り通信のみの対応だが、通信に必要な電力量が少なく、小さな電源しか搭載できないIoT(Internet of Things:モノのインターネット)端末に向く通信方式だ。日本ではKCCSが独占ライセンスを取得し、2017年2月から東京23区内の一部の地域でサービスを開始し、サービスエリアの拡大を続けてきた(参考記事)。
図 KCCSはSigfox通信サービス提供開始から1年9カ月ほどで、サービスエリアを人口カバー率90%まで拡大した
出所 京セラコミュニケーションシステム
KCCSによると、日本国内では400社のパートナー企業がSigfoxを利用して、高齢者や児童の現在位置確認、水道メーターの遠隔検針、ビニールハウス環境管理、水位・雨量監視、灯油タンクの残量計測、傾斜監視など多様なサービスを提供している。
当初のエリア拡大計画では、2019年3月までに人口カバー率85%を達成する予定だったという。しかし、Sigfox通信サービスの需要が日本全国各地で高まった。そこで、なるべく早く多くのユーザーに利用してもらうために計画を前倒しで進め、2018年11月に人口カバー率90%を達成したとしている。
KCCSは今後も基地局設置を進め、通信エリアを拡大していく。2019年3月末には人口カバー率95%、2019年夏には97%まで拡大する計画を示している。
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