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NTTファシリティーズ、和歌山県で計画中の木質バイオマス発電事業に参加

2019/04/10
(水)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

NTTファシリティーズは、フォレストエナジーが計画している木質バイオマス発電事業に参加すると発表した。

NTTファシリティーズは2019年4月10日、フォレストエナジーが計画している木質バイオマス発電事業に参加すると発表した。和歌山県新宮市に木質バイオマス発電所を建設し、電力に加えて、発電過程で発生した熱も供給する事業だ。NTTファシリティーズのほかに、モリショウ、TJグループホールディングス、前田商行も参加する。各社とも事業に出資することは決まっている。ただし人員の派遣など、出資に加えた協力体制については協議中。

発電所の建設予定地は和歌山県新宮市佐野。紀伊半島南部(紀南地域)では林業が盛んであり、未利用の木質資源を比較的容易に集められることから、この場所を選んだ。燃料はチップ状に加工して使用する。年間に約2万トンの木材を燃料として使用する。

発電所には、オーストラリアSyncraft Engineeringが開発した発電設備を4基設置する。木質バイオマスをそのまま燃焼させず、酸素が存在しない環境で加熱して可燃性のガスを取り出し(熱分解)、ガスエンジンを稼働させて発電する。既存の木質バイオマス発電設備では利用しにくかった樹皮も含めて、原木をすべて燃料として活用でき、発電効率が約29%、熱を加えた総合エネルギー効率が約85%と、高いレベルを達成していることからこの設備を選定した。

図 発電所の完成イメージ

図 発電所の完成イメージ

出所 フォレストエナジー

発電所の最大出力は約1.8MW(1800kW)。電気のほかに熱を3800kW発生させる能力を持つ。フォレストエナジーは年間発電量を約14.28GWh(1428万kWh)と見積もっている。日本の一般的な世帯の年間電力消費量にしておよそ3900世帯分に相当する。発電出力と見込み年間発電量だけで計算すると、設備利用率は約90.6%に達する。

発電所は2020年12月ごろに商業運転を開始する予定。発電した電力は再生可能エネルギーの固定価格買取制度を利用して、全量を関西電力に売電する。売電単価は1kWh当たり40円(税別)。


■リンク
NTTファシリティーズ
フォレストエナジー

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