楽天と丸紅新電力は2017年1月19日、低圧需要家向け電力の販売促進で提携を強化すると発表した。両社は2015年9月に、低圧需要家向け電力小売事業で提携を結び、法人、個人に向けてサービスを提供している。2016年11月には、住宅向けサービスの料金をクレジットカードで支払い可能とし、「楽天カード」利用者向けには特別キャンペーンを実施した。その結果、「楽天スーパーポイント」会員から、さらに顧客獲得が可能と判断して提携強化に至った。
まず、「楽天スーパーポイント」会員を狙って、楽天エナジーの電気料金を楽天スーパーポイントで支払い可能とし、これを記念したキャンペーンを実施する。2月6日から、楽天エナジーの電力契約を新規に締結した顧客に、楽天スーパーポイントを最大で2000ポイント提供する。キャンペーン期間は3月9日まで。ポイントで料金の支払いを可能とした上で、ポイントを提供するキャンペーンを展開することで、会員の注目を集めることを狙っている。
そして今回の提供強化には、楽天グループ内で電力契約の販路を広げるという狙いもある。現在は、主に楽天本社が「楽天エナジー」ブランドで電力を販売しているほか、楽天コミュニケーションズがインターネット回線契約とセットで電力契約を販売している。楽天で扱っているほかの商材とも組み合わせて電力契約を販売することで、さらに契約者を増やすことを目指している。
図 インターネット回線とセットで契約することで料金を割り引くプランを販売している
出所 楽天コミュニケーションズ
セット販売をの幅を広げる取り組みの一環として、楽天モバイル契約者を対象としたキャンペーンを2月15日から実施する。期間中に楽天エナジーの電力契約と合わせて、楽天モバイルの携帯電話回線を新規契約した顧客と、楽天モバイルの回線を契約済みで楽天エナジーに電力契約を結ぶ顧客に「楽天スーパーポイント」を3000ポイント提供する。キャンペーン期間は5月15日まで。
この時期の提携強化とキャンペーン実施には、大きな理由がある。4月に始まるガス小売りの自由化だ。両社は、これを機に電力小売りの自由化に再び注目が集まると見ている。ガス小売りの自由化をきっかけに、エネルギー小売りの自由化に話が広がり、電力小売りの自由化にも注目が集まるという計算だ。電力契約に選択肢があることに潜在顧客が気付いて、検討を始めることを狙っているというわけだ。
両社は今後も提携を強化して、付加価値の高いエネルギーサービスを提供していくとしている。