住友林業は2017年5月12日、北海道苫小牧市に建設中だったバイオマス発電所「苫小牧バイオマス発電所」が営業運転を開始したと発表した。住友林業にとっては、2011年2月に運転開始した「川崎バイオマス発電所」、2016年12月に運転開始した「紋別バイオマス発電所」につづいて3件目のバイオマス発電所となる。苫小牧バイオマス発電所の事業は住友林業などが共同出資した「苫小牧バイオマス発電株式会社」が担当する。出資比率は三井物産が40%で、住友林業、イワクラ、北海道ガスがそれぞれ20%ずつ。
図 営業運転を開始した「苫小牧バイオマス発電所」
出所 住友林業
苫小牧バイオマス発電所の所在地は北海道苫小牧市晴海町(はるみちょう)。敷地面積はおよそ1万4000m2。バイオマス発電所での採用例が多い、循環流動層ボイラーを採用している。ボイラーでバイオマスを燃焼させて、その熱で水蒸気を作り、タービンを回すことで発電する。燃料は地元の未利用木材約6万トンを原料とした木質チップ。
発電所の出力はおよそ5.9MW(5900kW)。一般世帯の年間電力消費量にしておよそ1万世帯分の電力を発電する。資源エネルギー庁が試算した一般世帯の年間電力消費量は、3600kWh。この数字を当てはめるとおよそ36GWh(3600万kWh)となる。設備利用率はおよそ69.65%と考えられる。
発電した電力は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度を利用して全量を北海道ガスに売電する。売電単価は1kWh当たり32円。