住友林業は2016年12月1日、北海道紋別市に建設中だった「紋別バイオマス発電所」の営業運転が始まったと発表した。木質チップなどを燃料とする木質バイオマス発電所で、最大出力は木質バイオマス発電所としては日本最大級となる50MW。紋別市が所有する紋別港埠頭内の工業用地を賃借して事業を展開する。
図 紋別バイオマス発電所
出所 住友林業
燃料には主に木質チップを使用し、輸入ヤシ殻なども利用する。また、補助燃料として石炭も使う。木質チップは、発電所に隣接する「オホーツクバイオエナジー株式会社」が紋別地域の山林から未利用材と間伐材を集めて生産する。住友林業は紋別地域に社有林を保有しており、そこで収集した未利用材、間伐材も木質チップに加工して使う。さらに、協力工場から集めた木質チップも燃料として利用する。
発電した電力は再生可能エネルギーの固定価格買取制度を利用して北海道電力に売電する。売電単価は未利用材によるものが1kWh当たり32円で、ヤシ殻や製材屑によるものが1kWh当たり24円(どちらも税抜)。また、新電力会社への売電も検討している。
紋別バイオマス発電所の事業は、住友林業と住友共同電力が共同出資して設立した「紋別バイオマス発電株式会社」が担当する。出資比率は住友林業が51%で、住友共同電力が49%。両社は神奈川県川崎市でも、共同出資の会社を設立して木質バイオマス発電所「川崎バイオマス発電所」を運営している。川崎バイオマス発電所の最大出力は33MW。
住友林業はさらに三井物産などと共同で、北海道苫小牧市に出力5.8MWの木質バイオマス発電所を建設している。2016年12月に運転開始の予定だ。また、青森県八戸市でも2017年12月の運転開始を目指して、木質バイオマス発電所の建設を進めている。最大出力は12MWとなる予定。住友林業は2019年3月までに再生可能エネルギーによる発電事業を合計200MW規模まで成長させる計画を立てている。
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住友林業