スパークス・グループは2017年7月18日、グループ会社のスパークス・グリーンエナジー&テクノロジーが千葉県の北総鉄道北総線沿線で建設を進めていた大規模太陽光発電所(メガソーラー)「SGET千葉ニュータウンメガソーラー発電所」が完成し、商業運転を開始したと発表した。設計、調達、施工(EPC:Engineering、Procurement、Construction)と、運転開始後20年間の運用と保守は東芝インフラシステムズが担当し、太陽光発電モジュールや、パワーコンディショナーは東芝の製品を採用した。運転開始後の運用はスパークス・グリーンエナジー&テクノロジーが担当する。工事は2016年4月から開始し、総事業費としておよそ44億円を費やしたという。
図 「SGET千葉ニュータウンメガソーラー発電所」の一部を捉えた写真。北総線の線路脇に太陽光発電モジュールが並ぶ
出所 東芝
SGET千葉ニュータウンメガソーラー発電所の所在地は、北総鉄道北総線沿線の千葉ニュータウン駅、印西牧の原駅、印旛日本医大駅の3駅にかけた区間。東京駅と新東京国際空港(現:成田国際空港)を結ぶ「成田新幹線」の建設予定地だった場所だ。1974年に着工したものの、土地買収が進まず計画中止となり、空き地となっていた。スパークス・グリーンエナジー&テクノロジーは、千葉県からこの土地を1m2当たり年間180円で賃借してメガソーラーを運営する。敷地面積は合計でおよそ15ha(15万m2)。
図 「SGET千葉ニュータウンメガソーラー発電所」を上空から撮影した写真。北総線に沿って太陽光発電モジュールが並ぶ
出所 東芝
設置区間は長さおよそ10kmとなり、メガソーラーとしては日本最長になるという。この土地に太陽光発電モジュールを4万7454枚設置した。EPCを担当した東芝インフラシステムズによると、線路に隣接するため列車運行時間帯は作業内容に制約がかかり、クレーンなどの重機を使った大規模な作業も、建設予定地すべてでできるわけではなかったという。そのため、これまでメガソーラー建設で培ってきた知見を活かして作業工程を工夫し、関係各社と調整を進めることで建設工事を完了させたという。
また、細長い土地に太陽光発電モジュールを並べるため、そのまま設置してしまっては太陽光発電モジュールをつなぐケーブルが長くなってしまい、発電した電力を損失してしまう。そこで、太陽光発電モジュールの配置方法を工夫し、小規模のパワーコンディショナーを多めに配置するなどの対策で、損失を最小化し、発電効率を確保したという。
SGET千葉ニュータウンメガソーラー発電所の合計出力は約12.8MW(約1万2800kW)。スパークス・グループは年間発電量が約12.8GWh(1280万kWh)になると見込んでいる。資源エネルギー庁が試算した一般世帯の年間電力消費量の平均値はおよそ3600kWh。この値をそのまま当てはめると、およそ3556世帯分になる。発電した電力は再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を利用して全量を東京電力パワーグリッドに売電する。売電単価は1kWh当たり32円(税別)。