関西電力、住友電気工業、日産自動車の3社は2018年1月11日、電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)を仮想発電所(VPP:Virtual Power Plant)として活用する実験を開始したと発表した。関西電力の事業所を一般家庭に駐車する合計60台のEVとPHEVの内蔵蓄電池への充電を遠隔制御して、送電系統に流す電力の調整を図る。実験期間は2018年2月28日までの予定。
図 実験に使用する電気自動車を関西電力の事業所に駐車したところ
出所 関西電力
電気自動車への充電は3種類のサーバーを使って制御する。まず関西電力が運営するVPPサーバーが住友電気工業が運営するEVサーバーに指示を出す。EVサーバーは日産自動車が運営するテレマティクスサーバーに、60台のEV/PHEVがそれぞれ充電可能か、充電可能な量はどれほどかを確認するよう依頼する。そしてEVサーバーは、テレマティクスサーバーが取得した情報を受けて、充電可能な車輌に充電を始める。EV/PHEVの所有者は、EVサーバーから参加依頼を受けたときに、専用のスマートフォンアプリケーションで参加、不参加の意向を伝えることも可能だ。
図 実験では、3種類のサーバーでEV/PHEVへの充電を制御する
出所 関西電力
EVサーバーは、充電器に設置した「EVスイッチ」を制御することで、それぞれの車輌への充電量を制御する。EVスイッチは関西電力と住友電気工業が共同で開発した。3社は今回の実験で、EV/PHEVでどれほどの電力調整が可能かを把握するとともに、EV/PHEVの活用方法や制御履歴を分析して、VPPの一部としてどれほど活用できるか評価するとしている。