三菱地所は2019年3月18日、同社グループ全体のCO2排出量削減に向けた中長期の目標を策定したと発表した。今回設定した目標では、CO2排出量総量を2030年までに2017年比で35%削減し、2050年までには2017年比で87%削減するとしている。同社はこの目標について、2019年夏までに「SBTイニシアティブ」の認定を取得する予定だとしている。
SBT(Science Based Targets)イニシアティブとは、国連が設立したUN Global Compact、都市や自治体などのCO2排出量を調査公開しているCarbon Disclosure Project、世界自然保護基金(WWE:World Wide Fund for Nature)などが設立した団体。世界の企業を対象に、科学的に根拠があるCO2削減目標の設定を支援している。日本企業では積水ハウス(参考記事)や、積水化学工業(参考記事)などが認定を受けている。
図 三菱地所が今回設定したCO2排出量削減に向けた中長期的な目標
出所 三菱地所
現在、三菱自称グループが輩出しているCO2は、「スコープ1」「スコープ2」「スコープ3」に分けられる。スコープ1は企業自身の活動によって排出するCO2を指し、スコープ2は他社から供給を受けた電気、熱、蒸気の消費で発生するCO2を指す、スコープ3は事業者の活動に関連して他社が排出する温室効果ガスなどを指す。スコープ3は範囲が広く、事業者が販売する商品の輸送や、事業者が販売した商品を使用、廃棄したことによる温室効果ガスなども対象となる。
三菱地所グループの主なCO2排出要因をスコープに分けると、スコープ1が熱供給事業や非常用発電機を運転したことでガスや重油を燃焼させること。スコープ2が購入した電力、熱、上記、冷水の使用、スコープ3が建築工事でのCO2排出や、販売した不動産を消費者が使用することで発生するCO2などの要因となる。
これまで三菱地所グループはCO2排出量削減に向けて、水力発電所の電力のみを供給する電力料金ブラン「アクアプレミアム」(東京電力エナジーパートナー)をオフィスビルで利用したり、オフィスビルに燃料電池システムを導入するなどの活動に取り組んでいる。
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三菱地所