[トピックス]

IRENAが「世界の再生可能エネルギーの展望:エネルギー変革2050」を発表!

2020/06/05
(金)
SmartGridニューズレター編集部

 世界の160カ国および欧州連合(他に加盟手続き中が22カ国)が加盟している再生可能エネルギーに関する国際機関「IRENA(アイリーナ)」は、2020年4月、「Global Renewables Outlook : Energy Transformation 2050」(世界の再生可能エネルギーの展望:エネルギー変革2050」)を発表した(図)

図 『世界の再生可能エネルギー展望』の表紙 (全212ページ、2020年4月発行)

図 『世界の再生可能エネルギー展望』の表紙  (全212ページ、2020年4月発行)

出所 https://www.irena.org/publications/2020/Apr/Global-Renewables-Outlook-2020

 世界の160カ国および欧州連合(他に加盟手続き中が22カ国)が加盟している再生可能エネルギーに関する国際機関「IRENA(アイリーナ)」は、2020年4月、「Global Renewables Outlook : Energy Transformation 2050」(世界の再生可能エネルギーの展望:エネルギー変革2050」)を発表した(図)注1

 同レポートでは、2050年のパリ協定の実現を目指して、新型コロナ禍から経済回復政策を実施する場合には、国際協力のもとに、気候変動対策(脱炭素化)を同時に行うことが重要であると指摘している。さらに、「グローバルグリーンディールの方針」、すなわち「環境に大規模な投資を行うことにより、新たなグリーン産業の雇用と産業を育成する方針」のもとに、各国政府の協力が必要であることを強調し、2050年までのロードマップを示している。レポートの主な内容は次の通り。

  1. エネルギー関連のCO2排出量は、2010年以降、平均して毎年、年率1%で増加している。新型コロナウィルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)によって、2020年に排出量が抑制される可能性がある。しかし、経済の回復によって、長期的なCO2排出量のリバウンドが考えられるため、この対策が重要である。
  2. 再エネ関連事業が注目されるため投資額が高まり、再エネ関係の仕事が増加する。具体的には、2050年までに世界で雇用が4,200万人に達し、現在の4倍になる。さらに、エネルギー効率対策に2,100万人、柔軟なシステム開発などに1,500万人の雇用が追加され、増大する。
  3. 2050年にCO2排出量のゼロエミッション(脱炭素化)を達成するためには、革新的な技術開発とともに、新しいビジネスモデルの開発・転換などが必要となる。
  4. COVID-19パンデミック後の回復策には、脱炭素化に向けて、柔軟な電力網の構築やエネルギー利用の効率化、電気自動車の利活用(充電)、エネルギー貯蔵、グリーン水素などや、長期的なエネルギー需要と気候の持続可能性に向けた技術投資などが含まれている。

注1 https://www.irena.org/publications/2020/Apr/Global-Renewables-Outlook-2020

関連記事
新刊情報
5G NR(新無線方式)と5Gコアを徹底解説! 本書は2018年9月に出版された『5G教科書』の続編です。5G NR(新無線方式)や5GC(コア・ネットワーク)などの5G技術とネットワークの進化、5...
攻撃者視点によるハッキング体験! 本書は、IoT機器の開発者や品質保証の担当者が、攻撃者の視点に立ってセキュリティ検証を実践するための手法を、事例とともに詳細に解説したものです。実際のサンプル機器に...
本書は、ブロックチェーン技術の電力・エネルギー分野での応用に焦点を当て、その基本的な概念から、世界と日本の応用事例(実証も含む)、法規制や標準化、ビジネスモデルまで、他書では解説されていないアプリケー...