[スペシャルインタビュー]

NGNリリース2への展望を聞く(3):IPTVは3方式を検討へ

2007/11/06
(火)
SmartGridニューズレター編集部

2006年7月のNGNリリース1に続いて、2008年のNGNリリース2に向けた標準化か活発化しています。そこで、日本におけるNGNやIPTV、IMSなど次世代技術の標準化作業を推進している、TTC(社団法人情報通信技術委員会)の理事長ある井上友二氏に、注目される「標準化の重要性」と「NGNリリース2への展望」をお聞きしました。井上氏は、NTTで通信網の構成技術や伝送技術の研究に携わる一方、ITU-Tの標準化活動にも積極的に貢献し、その後、NTT取締役第三部門長としてNTTの研究部門の責任者としても活躍されました。
今回は、
第1回:標準化に力を入れる中国と欧州勢
=浮上するIPR(知的財産権)の獲得=
第2回:ユーザー側へのサービスを重視したITUへ
=NGNが必要となった3つの理由=
に続いて、NGNリリース2の目玉とも言われるIPTVの標準化動向を中心にお話をお聞きしました(文中敬称略)。
聞き手:インプレスR&D 標準技術編集部

NGNリリース2への展望を聞く!

≪1≫活性化するIPTVの標準化:IPTVとは?

■先進諸国で、IP化を背景に、IP電話・インターネット接続(Web)・IPTV(IP放送)というトリプル・プレイ・サービスが活発化していて、NGNリリースの目玉とも言われているIPTV(※1)が大変な注目を集めています。しかし、IPTVの標準化についてはITU-Tで行われる一方、例えば日本では、IPTVフォーラムが取り組むなど世界でいろいろな動きがありますが、どう見ておられるのでしょうか。

井上 IPTV(IP放送)というのは、皆さんはテレビをIP化するだけと思われているところがありますが、ビジネス・パラダイムにしても、また、そのサービスを提供するプレーヤーにしても、今までの通信事業者や放送事業者の世界とはかなり違うのです。通信事業者や放送事業者など、それぞれのステークホルダー(IPTVの利害関係者)は、それぞれ自分たちのプレイ・グラウンド(ビジネス)分野をもっているわけです。

※1 用語解説

IPTV:Internet Protocol TV、IPを用いたテレビ放送。IPTVに関しては、ITU-T FG IPTVの第2回会合(2006 年10 月16 日〜20 日、韓国、プサン)で次のように定義することで合意された。

『IPTVとは、管理されたIP網上で提供されるテレビ(TV)、ビデオ、音声、テキスト、グラフィックス、データなどのマルチメディア・サービス』のことを指す。ここで、「管理されたIP 網とは、要求されるQoS(サービス品質)/QoE(Quality of Experience、体感品質)、セキュリティ、双方向性、信頼性を提供できるIP網」のことを指す。したがって、このIP 網はインターネットを含まず、かつ必ずしもNGNだけを対象にしているわけではないことがわかる。

FG IPTV:Focus Group IPTV。IPTVに関する技術の標準化を目指して、1年程度の期間を目安に、集中的に審議するグループ。ITU-T内に2006年6月に設立された。FG IPTVは2007年12月まで活動を延長して行う予定。

≪2≫業種を越え、地域を越えたIPTVの標準化

井上 要するに、これまでは、自分たちのビジネスの主戦場(プレイ・グラウンド。通信事業者は電話事業というように)があって、そのプレイ・グラウンドでビジネスを行い、その事業者のグループで物事を決めていました。しかし、IPTVのような放送と通信の融合のような業界をまたがる新しいビジネス領域では、通信事業者だけとか、放送事業者だけ、あるいは端末メーカーやサーバ・メーカーだけでも決められないという状況になってきています。もちろん組織的にも、ITUだけでもIPTVフォーラムだけでも決められません。これは、ある意味で、新しい動きでもあるのです。

このように、それぞれの業界が持っているプレイ・グラウンドだけでは標準化が難しいということがわかってきましたので、当然ながら、いろいろな動きがあるわけです。そこで、これは世の常ですが、それぞれの業界が自分に有利なように標準をつくろうとします。(笑)。しかし、自分の業界だけが有利なようにつくると、他の業界の人々にとってはあまりウェルカムでないことが多々起こりますね。

■各業界のプレイ・グラウンドの違いに加えて、例えば、コンピュータに強い米国、モバイルに強い欧州、情報家電に強い日本などのように、それぞれ地域的に得意な分野があり、そこにも利害関係のようなものもありますよね。

井上 正直言ってIPTVが1つの標準にまとまるかどうかはまだ、未知数なところがあります。ただし、世界中で使われているものを見ると、通信や放送の分野では、少なくとも標準か決まっていないものは使われていません。IPTVが1つの標準になるか、2つあるいは3つになるか微妙なところですけれども、少なくともその範囲内には集約されるでしょうね。したがって、IPTVの標準に関連する業界の方々は、このようなことを念頭において、標準化の努力をしているところです。

■たしかに放送は、米国のNTSCや欧州のPALとかSECAMがあって、いくつかの標準が乱立していました。地上デジタル放送でも、米国はDTV(Digital Television)、欧州はDVB-T(Digital Video Broadcasting Terrestrial)、日本はISDB-T(Integrated Services Digital Broadcasting Terrestrial)というようになっていますね。

井上 その通りで、現実に、地域的にいくつかの方式が標準化され普及しています。放送の場合は、もう一つ、政治的な動きもありると思っていて、隣の国の放送は自国民にはあまり見せたくない国も結構あります。ですから、各国で独自の放送方式が開発できれば、それが一番いいという側面もあるわけです。こうした背景から、米国でNTSCができたら、欧州は使わないわけです(笑)。仮に同じ方式でしたら、周波数を変えるとか、通常のお店で買った受像機では隣の国の放送番組は見られないようにするとか、放送というのはそうしていますよね(例外もありますが)。だから、通信と放送では少し違うところがあって、通信と放送の融合と一言でいっても、なかなか難しい面があります。

このような背景もあるため、通信事業者と異なり、放送事業者はもともと方式が違うことは当たり前であると思っています。つまり、その方式の放送圏内で、コンテンツ(番組)を一貫して生産でき、そのコンテンツがその放送圏内に閉じて流通している時代はそれでよかったのです。しかし、今や、コンテンツがグローバルに流通する時代を迎えていますから、放送方式の乱立は困るわけです。各国の方式ごとに、各国に変換機を置いて放送をみるというのは現実的ではありません。したがって、IPTVの場合はそれなりにいくつかの方式に収束しても、異なる方式間で互換性をもたせるようになるでしょうし、そうしませんと、ユーザーには普及しないでしょうね。

≪3≫連携が深まるTTCとITU-Tの標準化活動

■そのように、IPTVなどは通信業界や放送業界、コンピュータ業界あるいは家電業界など、みんなが関係してきますよね。そうすると、それの音頭をとるのは、日本は誰になるのでしょうか。例えば、総務省がやるのか、あるいは経産省がやるのかTTCがやるのか。

井上 IPTVはそのような国際的なしかも業界横断的な大きなテーマですから、私どものTTCが表に出て取り組むと言うのではなく、TTCはとにかく関連業界の皆さんに集まっていただいて、議論する場を提供して、みんなで合意できるような努力を事務局(TTC、図5)が一生懸命に努力することだと思うのです。

そのために、TTCの中にIPTV専門委員会〔専門委員長 榎並 和雅氏(元NHK技術研究所所長:現NICT)を設置して、通信事業者、放送事業者、通信機器メーカー、情報家電メーカーにお集まりいただいていますが、現在はその枠組みができたところで、実質的な議論はこれからということになります。


図5:情報通信技術委員会(TTC)の組織(クリックで拡大)

■ITU-Tのほうの標準化の審議状況はいかがですか。

井上 ご承知のように、ITU-TではFG IPTV(フォーカス・グループIPTV)が、2006年7月(第1回会合)から今年(2007年)の12月まで期限を限定して、IPTVに関する審議を進めています。フォーカス・グループ(FG)というのは、各国が標準化についていろいろな意見を述べあい、課題を整理する場であり、どの方式にするかを選択して標準化する場ではありません。したがって、韓国方式もあれば、中国方式もある。あるいは、日本方式、欧州方式ヨーロッパもあれば、米国方式もアメリカあるわけです。あるいは各国の方式にもいろいろな提案があり、議論を戦わせている段階です。

また、このFG IPTVでは、そのいろいろな方式を持ち寄り、まずお互いの提案を理解し、いさらにくつかの方式にカテゴライズ(分類)し、今後標準化に必要な課題が整理されてきています。現実的なIPTV方式の選択に関する審議は、FG IPTV の親SG(Study Group、研究委員会)であるSG13(第13研究委員会)で2008年1月からから始まる予定となっています。ですから、現在は、地ならしをしている段階ですから、TTC内に設置されたIPTV専門委員会もこれに対応して、これから日本としてのどのような提案をするか、議論をしているところです。

■その場合は、TTCからITU-Tに提案するのですか。

井上 日本からITU-Tに提案するような活動は、「アップストリーム」(※2)と言われています。従来は、TTCという組織はアップストリーム活動はやっていませんでした。アップストリームというのは、ITUに提案を持っていくときには、総務省内にある情報通信審議会情報通信技術分科会に各社や各組織がそれぞれ意見を提出してまとめ、日本案としてITU-Tに提案する仕組みになっています(図6)。その場合は日本寄書としますが、それとは別に、例えばNTTやKDDIが単独で出すとか、NECや富士通が単独で出す、あるいはグループで出す、ということもあります。それぞれITUのメンバーですからできるわけですね。

具体的な事例を挙げて説明しますと、例えば図6に示すように、FG IPTVの第1回会合(2006年7月)に、NTTとKDDIの2社の通信事業者とシャープ,ソニー,東芝,日立製作所,三菱電機の情報家電メーカー5社(計7社)が「IPTV サービス・アーキテクチャ」(FG IPTV-ID-0094)という寄書を提出しています。


図6 日本の7社による「IPTV サービス・アーキテクチャ」(FG IPTV-ID-0094)の寄書の例(タイトルのみ)。(クリックで拡大)
http://www.itu.int/ITU-T/IPTV/events/072006/docs/ID/FGIPTV-ID-0094e.doc

※2:用語解説
アップストリーム:ITU-Tという上部組織(上流)に対して各国が寄書を提案していくような活動。その反対のITU-Tからの勧告(標準)を各国内(下流)で具体化する活動を「ダウンストリーム」という。

このように、従来のTTCの活動は基本的にはダウンストリーム型でしたから、ITU-Tで決まった勧告(標準)を日本の標準にするという機関だったのです。つまり、これまではアップストリームの活動はしてこなかったのです。しかし、現在は技術革新のテンポが速いですから、ダウンストリームの活動に限定するのは非効率だということになり、このアップストリーム活動について、少なくとも議論をする場というのは一緒にやりましょうということになってきました。

具体的にはIPTVやIMSなど、いくつか主要なテーマについては、総務省と相談してアップストリームも一緒にやり始めているところです(前述の図6)。ですから、その一貫として、IPTVについてはTTCのIPTVを専門委員会で扱いますので、これからの活動を通して、日本案をどのようにつくっていくか、TTCの会員メンバーの皆さんにご相談しながら決めていくことになります。

≪4≫日本からIPTV向けの新プロトコル「IPSP」を提案へ

■組織的にそのように対応を進化させてきているということは、ある程度具体的なものが見えてきているということでね。

井上 現在日本国内におけるIPTVの標準化は、通信事業者や放送事業者、情報家電メーカーなどで構成される「IPTVフォーラム」(2006年10月設立。図7)の他に、日本でのIPTV(IP放送)の課題を検討している通信事業者などによる非公式な会合である、「IPSP」(※2)と、DTVポータル検討ワーキング・グループ(略称「DTV-WG」※3)が活動しています。DTV-WGは、2006年2月に結成されたシャープ、ソニー、東芝、日立、松下など情報家電関連の5社による、デジタル・テレビ向けブロードバンド・ポータル・サービスの検討グループです。

これらの3者は、図8に示すように、映像配信関係で連携して活動しています。


図7:IPTVフォーラムの構成〔出典:IPTVフォーラムの資料を一部修正〕(クリックで拡大)


図8:IPTV フォーラムとIPSP/DTP−WGの関係(クリックで拡大) 〔出典:2007年3月 社団法人 情報通信技術委員会技術調査アドバイザリーグループ、 http://www.ttc.or.jp/j/forum/pdf/forum_report_v13_1.pdf

※2、※3 用語解説
IPSP:Internet Protocol Service Project、IPサービス・プロジェクト。通信事業者などによる非公式なIPTVなどを検討しているプロジェクトおよびその仕様名。

具体的には、ブロードバンドによるVoD・IP放送(IPTV)などを、通信サービス機能をもつテレビ端末などで視聴できるように、通信サービス技術の仕様を策定することを目的としている。2005年7月設立。参加メンバーは、NTT、KDDIと家電メーカー6社(シャープ、ソニー、東芝、松下電器、三菱電機、日立製作所)。

DTV-WG:Digital Television Potal Working Group、情報家電メーカーによるDTV(デジタル・テレビ) ポータル検討ワーキング・グループ

このIPSPというプロトコル(表3)は、端末とサーバ間のプロトコルなのですが、現在、これはかなり有力な案であるため、IPTVの標準プロトコルとなるよう関係機関で審議されているところです。

表3:IPSP(Internet Protocol Service Project)の仕様

項目 内 容
対応ネットワーク ■CDN(IPv6/IPv4):用途がコンテンツ配信に特化されたネットワークであり、通信経路の制御、およびペイロードの種別による通信パケットの優先制御等によって、サービス品質(QoS)をある程度確保することを目的とするネットワーク。
(注)CDN:Content Delivery Network、コンテンツ配信ネットワーク
サービス ■IP放送(IPTV)、VoD、コンテンツ・ナビゲーション(BML)、EPG、ECG(オプション)、ダウンロード(検討中)
(注)BML:Broadcast Markup Language、放送用記述言語
EPG:Electronic Program Guide、電子番組案内
ECG;Electronic Content Guide、電子コンテンツ案内
CAS/DRM ■Marlin(IPTV-ES)
(1) ライセンス配送:PKIベースのSAC
(2)コンテンツ暗号化:128ビット AESで、TSペイロードを暗号化
(注)Marlin:デジタル家電機器などを対象にするDRM(デジタル著作権 管理)規格の一つ。家電メーカーが中心となって設立された標準化団体であるMarlin Developer Community(MDC)が仕様を開発していることに由来した名称
IPTV-ES:IPTV End-point Service、IPTVエンドポイント・サービス。IPTVの要件に対応したMarlin仕様の一つ。
PKI:Public Key Infrastructure、公開鍵基盤
SAC:Secure Authenticated Channel、認証暗号通信路。CAS:Conditional Access System、限定受信方式。許可した受信機のみコンテンツの再生ができるコンテンツの提供方式。
伝送方式 ■MPEG-2-TS(Transport Stream)
IP伝送概要 ■ストリーミング伝送プロトコル:RTP/UDP
■選局制御:IGMPv2(IPv4)/MLDv2(IPv6)
■ネットワーク・ジッタ(揺らぎ)を含む伝送環境におけるAV再生のクロック同期を考慮したタイムスタンプ付TS(RTPのタイムスタンプは実質運用しない)
■ネットワーク上でのパケット・ロス対応を考慮したFEC運用
(注)FEC:Forward Error Correction、前方向誤り証正
IGMPv2:Internet Group Management Protocol Version 2、インターネット・グループ管理プロトコル第2版
MLDv2:Multicast Listener Discovery Version 2、マルチキャスト参加者発見プロトコル第2版
符号化方式 ■映像:MPEG-2、H.264/AVC(Advanced Video Coding)
■音声:MPEG-1-L2(レイヤ2)、AAC(Advanced Audio Coding)

■米国など海外のIPTVに対する動きはいかがでしょうか?

井上 現在各国とも、ネットワーク上に映像系のトラフィック(情報)が急増してきているため、高速インターネット接続(Web)、音声(IP電話)に加えて映像(IPTV)を含む3つのサービスをトリプル・プレイ・サービスというビジネスを展開しています。米国でも実際、映像系のトラフィックがかなり増えてきており、電話よりもそちらのほうがもうかりそうだというので、かなり力が入ってきているようです。

≪5≫IPTVが本当に切実なのはADSLしかない国

井上 このように、トリプル・プレイ・サービスには、サービスのひとつとしてテレビも含む、映像配信サービスが含まれていますが、この映像配信サービスは必ずしもIP化されているわけではありません。したがって、IPで映像を送るIPTVというのは映像をサーバから送る1つの手段なのですね。ここは大事なところです。今、例えば日本でNTTがやっているトリプル・プレイ・サービスとして、スカイパーフェクト・コミュニケーションズと組んだ、「スカパー!光」(※1)というサービスがありますよね。あれはIPTVでも何でもないのです。しかし、トリプル・プレイ・サービスなのです。

すなわち、各チャンネルの映像をIP化しないで、光の別の波長で送っているのです(※2)。ユーザーから見たら、別にIPで送られてこようが光の波長で送られてこようが関係ありませんからね。要は、テレビを見ることができればよいわけです。現在、世界中のブロードバンドでやっている大半の映像配信サービス方式は、必ずしもIP化されているわけではないのです。

※1 用語解説
スカパー!光(スカイパーフェクTV!光):光ファイバを利用したデジタル多チャンネル(約280チャンネル)放送サービス。スカパー!光は、 CSデジタル放送(スカパー!)のほぼ全チャンネルに加えて、地上デジタル放送やBSデジタル放送などの同時再送信が楽しめるサービス。 2005年12月にはNTT東日本・NTT西日本との合弁により、スカパー!光を販売する新会社「株式会社オプティキャスト・マーケティング」を設立。2006年4月からは、Bフレッツを利用したスカパー!光の戸建て住宅向けサービスを開始し、高速インターネット・サービス、光電話サービスと一体になった「トリプル・プレイ・サービス」を提供している。

※2 用語解説
光の別の波長で送る:映像配信にIPとは別に1つの波長を割り当て、その1つの波長で全チャンネルの番組を伝送する。

■わざわざIP化してサービスすることはないのですね。

井上 そうです。IPテレビ(IPTV)がほんとうに切実に必要なのは、ADSLしかない国なのです。

■どうしてでしょうか。

井上 ADSLでは、光ファイバのように1本の光ファイバの中に複数の波長(複数の光信号)を流し(波長多重と言う)、その各波長ごとのチャンネルに番組を乗せて送ろうとしても、1本の銅線(1つの電気信号)しかありませんので乗せようがないのです。したがって、IPで多重して(重ね合わせて)送らざるを得ないため、光ファイバよりも銅線(ADSL)が広く普及している欧州では、IPTVは切実なのです。

■なるほど。米国はいかがですか。

井上 米国の最大手のキャリアであるAT&Tは、IPTVに関して、いろいろとトライしてきましたが、思うような成果が上がらないため、結局、NGNの、しかもIMSを使ったIPTVにするようです、まだ正式ではないので分かりませんけど。

(つづく)

プロフィール

井上 友二(いのうえ ゆうじ)

現職:(社)情報通信技術委員会(TTC)理事長・事務局長

1971年 九州大学工学部電子工学科卒
1973年 九州大学大学院工学研究科修士課程電子工学専攻了
1973年 日本電信電話公社に入社し、横須賀電気通信研究所を最初に通信網構成技術や伝送技術等の研究に従事
1982年~1992年まで CCITT SG18(現ITU-T SG13)における国際標準化作業に参加し貢献。その後、NTTマルチメディアネットワーク研究所長、(株)NTTデータ取締役・技術開発本部本部長、NTT取締役・第三部門長等を歴任
2006年 NTT取締役・CTO
2007年4月よりTTC専務理事・事務局長に就任し、6月より現職

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