

Q3:「圧縮」と「符号化」、「圧縮符号化」の違いは?
いろいろな書籍や文献で、「圧縮」という言葉や、「符号化」という言葉が登場しますが、これらは、どのように違うのでしょうか。また、「圧縮符号化方式」と言う言葉もよく見かけますが?

≪1≫圧縮は符号化の一部分
「符号化」とは、デジタル情報を通信回線で伝送したり、DVDなどの蓄積メディアに好都合な形(これを「符号」と言う)に変換する処理を表わす一般的な言葉です。
したがって、必ずしも前に説明したような「圧縮」を伴わない符号化もあります。すなわち、圧縮は符号化の一部分ということになります。しかし、音声や画像を符号化する際は、ほとんどの場合、圧縮を目的としていますので、多くの場合、
①「圧縮」
②「符号化」
③「圧縮符号化」
という3つの用語は同じ意味で使われています。圧縮の逆の過程は「伸張」(伸ばし広げること、すなわち元に戻すこと)です。「解凍」という言葉も使われていますが、こちらは食品の冷凍・解凍のアナロジーから出てきたものと思われます。「符号化」(エンコード)の逆は「復号」(デコード)と呼ばれます。本コーナーでは、圧縮という意味を含む場合は、基本的に「圧縮符号化」という言葉を使用しています。
※この「Q&Aで学ぶ基礎技術:最新の情報圧縮技術〔H.264/AVC〕編」は、著者の承諾を得て、好評発売中の「改訂版 H.264/AVC教科書」の第1章に最新情報を加えて一部修正し、転載したものです。ご了承ください。