[スペシャルインタビュー]

BEAシステムズのNGN/SDP戦略を聞く(1):BEAのNGN戦略製品「BEA WebLogic Communications Platform」とは?

2008/05/21
(水)
SmartGridニューズレター編集部

≪2≫NGNを中心とした標準化活動に積極的に関わるBEA

■御社の製品のコンセプトや特徴はどういうものでしょうか。

高山義泉氏(日本BEAシステムズ WLCPビジネスディベロップメント マネージャ)
高山義泉氏
(日本BEAシステムズ
WLCPビジネスディベロップメント
マネージャ)

高山 当社は、標準技術をベースにした製品を提供することをコンセプトにしています。このため、関連する技術の標準化活動にも積極的に関わっています。

インターネットでは、例えばJavaのような技術は、通信業界よりも標準化が先行しており、インターネット上でアプリケーションを作る場合、標準技術を利用することができます。例えばJavaの技術を使ったHTTPサーブレット(※)などのインターネットで利用されるサービスなどがあり、当社の製品でも通信業界向けのサービスとして取り入れていこうとしています。

HTTPサーブレット:Webブラウザで対話型サービスを提供する、サーバ側で作動するJavaアプリケーション

■どのような標準化団体に関係していますか。

高山 当社は製品開発の会社ですが、Parlay(※)の理事や3GPP(※)、OMA(※)、SIP関連組織(※)、Java関連組織などいろいろな仕様策定のメンバーとして、あるいはリーダーとして参加しています。

Parlayグループ:パーレイ・グループ。通信事業者や通信機器ベンダで構成される非営利の業界団体で、Parlayの仕様(オープンAPI)を策定する
3GPP:The Third Generation Partnership Project、第3世代共同プロジェクト。日本のARIBとTTC、中国のCCSA、韓国のTTA、米国のATIS、欧州のETSIという6つのSDO(Standard Development Organization、地域や各国を代表する標準化機関)で構成される第3世代携帯電話のシステムの標準化を目指すプロジェクト
OMA:Open Mobile Alliance。モバイルによるWebアプリケーションの技術の標準化を目指す業界団体
SIP:Session Initiation Protocol、セッション開始プロトコル。IPネットワークで音声や映像等のマルチメディアをリアルタイムに通信できるようにするプロトコル

■標準化への参加をどのように技術開発に生かしているのでしょうか。

高山 標準化の動きに深く関わることで、例えばOMAやParlayの最新の世界の動向を各国のお客様に伝えることができます。また、逆にそのフィードバックもいただいています。そして、日本をはじめ各国の動向などを踏まえて、今後、取り入れるべき技術仕様の提案なども積極的に行っています。

このようにして通信業界の技術の標準化を進め、さらに標準化された技術をベースにして製品開発をしています。

■通信業界に足を置きながら、JavaやWebサービスを中心とした標準化の動きに積極的に関わっているわけですね。NGNではどうなのですか。

高山 NGNについても同様です。NGNは、国際的な標準技術です。全世界で標準化が進められており、国際的な協力のもとにNGNの環境を作っていこうという流れがあります。国際標準化によって、各国のネットワークの相互乗り入れが可能になります。標準的なインタフェースを決めて、異なるネットワーク同士をつないだり、新しいサービスを提供する標準のプラットフォームとして、NGNという新しいネットワークが敷設されはじめています。このようにNGNでネットワークの標準化をして、IMSで通信のやりとりの手順が標準化されているという形になります。

これまでのインターネットでは、ネットワークがあって、その上に、各社が独自でサービスを開発していたわけですが、それではネットワーク上のアプリケーションの接続性が保てません。NGNでは、サービス開発のプラットフォームを標準技術として提供することによって、アプリケーションやサービスの接続性も実現できるようにしたネットワークです。当社もサービス開発の支援技術を標準技術でしっかり作ろうというコンセプトを持っています。

>>「第2回」へつづく

プロフィール

高山義泉氏(日本BEAシステムズ WLCPビジネスディベロップメント マネージャ)

高山義泉(たかやま よしもと)

現職:日本BEAシステムズ株式会社 WLCPビジネスディベロップメント マネージャ

2006年 日本BEAシステムズ入社。
国内及びAPAC(アジア太平洋地域)テレコムビジネス開拓に従事、日本国内、APACのテレコムサービス、マーケット動向に精通。
2002年から、Javaを用いたテレコムアプリケーションのオープン化にも積極的に取組む。様々な"コミュニケーション"サービスの出現に期待している今日である。

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