≪2≫日本における再生可能エネルギーの現状
日本のエネルギー政策は、このようなエネルギー基本計画の下に推進されているが、現在、日本における再生可能エネルギーが占める割合は、図1に示すように、2013年度の総発電電力量のうち、約11%であり、その大半は水力発電(8.5%)である。水力を除く再生可能エネルギーの総発電量に占める割合は、1.4%(2011年度)から、固定価格買取制度(FIT:Feed-in Tariff、2012年7月1日開始)導入後2年間で、2.2%(2013年度)に達したところである。
特に、電力会社に対し、太陽光・風力・水力・地熱・バイオマス発電について、固定価格での買い取りを義務付けたFITの導入(2012年7月)後は、太陽光発電を中心に急速に再生可能エネルギーが普及し始めている。
図1 日本における再生可能エネルギー等の導入状況
〔出所 資源エネルギー庁資料
図2に、2014年度の再生可能エネルギーの調達価格(税抜)と調達期間を示すが、例えば、「陸上風力発電」については1kWh(1キロワット時)の発電量につき調達(買取)価格22円(20kW以上。20年間)と55円(20kW未満、20年間)となっており、「洋上風力発電」については36円の価格(20kW以上、20年間)が、2014年度から新設(2014年3月発表)された。
なお、太陽光の場合は発電コスト〔システム費用(太陽電池パネルの設備費等)、や運転維持費用〕が安くなってきていることなどが勘案され、
①20kW以上(非住宅用)の場合が、40円(2012年度)⇒36円(2013年度)⇒32円(2013年度)(20年間)
②10kW未満(住宅用)の場合が42円(2012年度)⇒38円(2013年度)⇒37円(2013年度)(10年間)
というように、買取価格の設定が引き下げられてきている。
また、再生可能エネルギーの設備導入量(運転を開始したもの)は、FIT導入前(2012年6月末)の累計が2060万kWであるのに対し、FIT導入後(2014年6月末時点)に新たに運転を開始した設備は1109.3万kWと、FIT開始前の累計と比較して2年間で約50%も急激に増大している〔注:FIT導入後の認定容量(稼働していない設備)も含めた全容量は7178万kWに達している〕。
なお、参考までに、日本における風力発電に関して、2013年度までの累積導入量 は270.7万kW(1,934基、414発電所。日本風力発電協会発表)と世界第18位となっている(表2)。
図2 平成26(2014)年度の調達価格(税抜)・調達期間
〔出所 資源エネルギー庁資料
表2 世界の風力発電の累積導入実績(2013年累積)
〔出所:日本風力発電協会資料、GWEC(世界風力会議)資料