[特別レポート]

【風力エネルギーシンポジウム・レポート】 世界最大の7MWの洋上風力発電(浮体式)がいよいよ稼働!

=復興目指して「福島洋上風力コンソーシアム」が実証へ=
2014/12/11
(木)

≪5≫世界最大となる福島県沖の浮体式洋上風力発電

特に、福島県沖で経済産業省が支援している「浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業」は、図4に示す経済産業省からの委託事業を行う福島洋上風力コンソーシアムによって推進されている。このプロジェクトは、福島沖で本格的な事業化を目指した、世界初の浮体式洋上風力発電の実証研究事業である。2011年度から5年程度の計画で、福島県の沖合約20km、水深120m地点に、世界最大となる本格的浮体式洋上風力発電を実現する実証である。
 
予算規模は、125億(2011年度3次補正)+95億円(2013年度)+280億円(2013年度補正)と、合計500億円となっている。
図5に示すように、すでに、2013年度に2MW(2,000kW)の浮体式洋上風車1基(第1期)と、浮体式変電所(浮体式サブステーション)が設置され運転が開始されている(図5)。2014年度には、世界最大となる高さ200mを超える7MW(7,000kW)の洋上風車を2基(第2期)設置し、本格的な実証実験を進める計画である。
 
このような国際的に注目されている日本の浮体式洋上風力発電の実証研究では、新たな技術課題に挑戦するとともに、将来大規模な洋上風力発電を実現するために欠かせない漁業との共存や、航行の安全性、環境影響の評価手法なども確立していく予定となっている。
 
図4 福島洋上風力コンソーシアムの構成
〔出所 資源エネルギー庁資料
 
図5 福島県沖の浮体式洋上ウィンドファーム実証事業:第1期と第2期
・浮体式サブステーション:世界初の海に浮かぶ変電所(浮体式洋上変電設備)
・V字型セミサブ:三菱重工業が担当する浮体型の基礎部分の構造
・アドバンストスパー:ジャパンマリンユナイテッドが担当する浮体型の基礎部分の構造
〔出所 資源エネルギー庁資料
 
 
 
 

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