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IIJ、電力小売事業者向け「スマートメーター活用プラットフォーム」を発表

2015/02/19
(木)
SmartGridニューズレター編集部

株式会社インターネットイニシアティブ(以下:IIJ、東京都千代田区、代表取締役社長:勝 栄二郎)は2015年2月19日、スマートメーターを活用したサービスを提供するためのシステム基盤として「PMS(Power Metering System)サービスプラットフォーム」を開発し、商用化に先駆けて2015年6月上旬より、電力小売事業者向けに実証実験環境を提供開始すると発表した。

「PMSサービスプラットフォーム」では、同社の強みであるインターネット及びクラウドサービスの運用技術、さらに同社の保有する特許技術を活かし、以下の3つのシステム要素全てをワンストップで提供する。

  1. SA-W1
    スマートメーターの検針データをリアルタイムで取得し、連携するクラウドシステムと通信を行うサービスアダプタ製品
     
  2. PMS
    検針データを蓄積、管理するためのクラウド型自動検針システム
     
  3. SACM(Service Adaptor Control Manager)
    「SA-W1」を遠隔から集中管理するマネージメントシステム※1

システム構成を写真1に、デモ画面を図1に示す。

写真1 PMSサービスプラットフォームのシステム構成

図1 「PMSサービスプラットフォーム」のデモ画面

IIJでは、本プラットフォームの商用化に向け、SA-W1において、ECHONET Lite 認証およびSMA認証※2を、2015年1月に取得した。これらの認証を取得したことにより、SA-W1は、スマートメーターの標準無線通信規格であるWi-SUN対応の通信モジュールを用いて、スマートメーターと家庭内の機器をつなぐBルート※3による電力検針データの取得が可能となった。

電力小売事業者は、同プラットフォームを利用することにより、スマートメーター(Bルート)の検針データを高速かつセキュアに活用することができるため、新しいサービスやビジネスを短期間で立ち上げることが可能となる。実証実験環境は、同プラットフォームの有用性や実用性を事前に検証する目的で、事業者に対しても6月より提供が予定されており、無償での利用が可能となっている。


※1:SACM(Service Adaptor Control Manager)
IIJが独自開発したネットワークマネージメント「SMFv2」(日本:特許第4463868号、米国:特許7660266号)の自動接続、完全管理の仕組みをOEM提供するための、マネージメントサービス基盤。SMFv2はSA-W1や他社のネットワーク機器の、初期設定から設定変更、運用管理までを一元的に管理できる。詳細はhttp://www.sacm.jp/を参照。

※2:ECHONET Lite認証、SMA認証
ECHONET Liteは日本国内の家電メーカーが中心となって設立されたエコーネットコンソーシアムにより策定されたHEMS向けの標準規格。SMA認証はエコーネットコンソーシアムが策定したスマートメータとHEMSコントローラ間のアプリケーション通信のインターフェース仕様書に基づき実施される、第三者機関での実機試験による仕様適合性認証。認証された機器は、スマートメーターBルートに接続して情報収集を行える機器として認められる。詳細な情報はエコーネットコンソーシアムホームホームページを参照。 http://www.echonet.gr.jp/

※3:Bルート
スマートメーターと建物内のHEMS(家庭向けエネルギー管理システム)やBEMS(ビル向けエネルギー管理システム)のコントローラを繋いでいるルート。さまざまなデータをもとに、省エネ化やデマンドレスポンスへのきめこまかい対応が期待されている。

 

■リンク
IIJ
 

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