HPが中心となって推進されるOPNFV
大規模になってきた通信ネットワークの世界では、今や、NFVとSDNという技術が主流である。これは、モバイルネットワークも同じ状況にあり、早急な対応が検討されている。
NFVは、ネットワーク機器を仮想化し、その能力を通信トラフィックに応じてダイナミックに使い分けたり、使い合ったりすることが可能となる仮想化技術である。一方、SDN(Software Defined Network)は、それぞれのネットワーク機器に対して、遠方から自由にコンフィギュレーション(ネットワーク構成)を変更できる技術である。
特に、膨大な設備コストが発生しているモバイルネットワークにおいては、NFVの導入は急務である。NECなど日本のベンダ各社においても、NFVやSDNは展示の中心を占めていた。
写真4 SDN/NFVソリューションの主な利点(NECブース展示より)
NFVの技術開発においては、通信事業者および機器サプライヤ側からのアプローチと、コンピュータメーカー側からのソフト的なアプローチという2つの流れが見える。
特に、NFVの普及を推進するプロジェクト「OPNFV」において中心的な役割を果たしているのはHP(ヒューレット・パッカード)(写真5)である。OPNFVは、昨年のMWC2014で発表されたが、1年間でそのプラットフォームの開発やパートナー作りに大きな前進があり、世界各国の通信事業者を取り込んだ実験・評価が行われている。
写真5 HPのOPNFVに関するタイムライン
今回、通信事業者ではTelefónica(テレフォニカ)の発表があったが、日本のNTTドコモは、OPNFVのプラチナメンバーとして参画している。
仮想化技術では、Wind River(ウインドリバー)のLinuxがコアとなっており、同社によると、エンタープライズグレードからキャリアグレードへの性能向上を達成したとしている。例えば稼働率では、99.9999%を実現したとしている。
写真6 ウインドリバーが提供するOPNFVにおけるソリューション(写真の赤枠部分)
OPNFVでは仮想化技術に加えて、それら全体を統括するMANO(Management and Orchestration)が重要とされ(写真7)、HPは、OPNFVプロジェクト全体を推進しつつMANO関連の製品提供を考えている。
写真7 仮想化とMANOの概念図
MWC2015の詳細は、『SmartGridニューズレター 2015年4月号』に掲載予定である。ぜひご覧いただきたい。
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