[特集]

川崎市スマートシティプロジェクトの全貌 ≪後編≫

川崎市スマートシティプロジェクトの全貌 ≪後編≫ ― 水素社会実現に向けた川崎市の水素戦略と昭和電工の水素ビジネス ―
2015/10/11
(日)
SmartGridニューズレター編集部

戦略の推進にあたって

 川崎水素戦略の推進に向けて川崎市は、短期、中長期に分けて段階的に取り組みを推進していく。

  1. 第1ステップ(〜2020年):短期的には東京オリンピック・パラリンピックを見据え、2020年を第1ステップとして、国のロードマップと整合を図りながら、臨海部における水素供給体制の構築や民生部門、輸送部門などへの普及拡大を進める。
  2. 第2ステップ(2020〜2040年頃):中長期的には2020〜2040年頃を第2ステップとして見据え、発電事業用水素発電の本格導入や大規模な水素供給システムの確立、さらにCO2フリー水素供給システムの確立や再生可能エネルギーとの連携を進める。

 上記の取り組みを推進していく枠組みとして、2013年8月に「川崎臨海部水素ネットワーク協議会」を設置し、産官学の連携により、臨海部水素ネットワークの構築に向けた検討を行っている。さらに、「(仮称)水素戦略推進庁内検討会議」を2015年度中に設置する予定で、エネルギーや産業、輸送、民生などさまざまな分野における最新の水素関連動向や情報の共有を図るとともに、各関連プロジェクトの推進方策の検討を行う予定である。

*    *    *

 地域に根ざした水素エネルギーを地産地消で利用するという川崎市のユニークな取り組みは、今後、実証結果をアクティブに公開していくことで、それに触発されて他県でも新しいアイデアや取り組みに発展していく起爆剤となることが期待できる。

 次世代が安価に水素を利用できる社会の到来は夢ではない。

◎取材協力(敬称略)

川崎市 総合企画局スマートシティ戦略室 担当課長 高橋 友弘
川崎市 総合企画局スマートシティ戦略室 担当係長 田中 祥雅
昭和電工株式会社 川崎事業所 製造部 特命プロジェクト担当マネージャー 栗山 常吉
昭和電工株式会社 川崎事業所 企画グループ 高山 翔太郎
昭和電工株式会社 川崎事業所 総務部 総務グループリーダー 荒川 博文

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