■ディスアグリゲーションのリーダー企業「Bidgely」の最新サービス
Bidgely(ビッジリー)はディスアグリゲーション(機器分離)と呼ばれる技術を用いた家庭向けのサービスを提供している企業である。ディスアグリゲーションとは、家全体の電力利用量を分解して、どのような電気機器が使用されていて、それぞれどのくらいの量を利用しているのかを推定する手法である。
既刊『スマートハウス/コネクテッドホームビジネスの最新動向2015』においてディスアグリゲーション技術について取り上げているが、これを使ったサービスを提供している企業の中でもリーダー的な存在であったのがBidgelyという企業であり、同社も今回、出展していた。
■近隣家庭と比較して家庭の使用電力の節電ができる!?
ディスアグリゲーション技術を使ったBidgelyのサービスは、HomeBeat(ホームビート)ブランドで提供されている。DistribuTECH2016では、同サービスのモバイルアプリの最新版を見ることができた。
写真4 Bidgelyのモバイルアプリの画面
画面の中ほどに棒グラフ(黒色とオレンジ色)があるが、これはサービスを利用しているユーザー(需要家)の電力利用量を近所の家庭の利用量と比較して示しているところである。Bidgelyは、スマートメーターから得られた電力使用量の情報をもとに、似通ったタイプの近隣家庭の電力使用量を平均値として黒色の棒グラフに示している。これを見たユーザー(オレンジ色の棒グラフ)は、単に自分の家が他と比べて使いすぎているということがわかるだけではなく、ディスアグリゲーション技術によって明らかになった機器ごとの利用状況を確認し、利用料削減のための具体的な策を講じることができる。
実際の画面はUI(User Interface、ユーザインタフェース)も直観的でわかりやすいもので、ユーザーにとってより親しみやすいサービスに進化していることがわかった。
同社のサービスはカリフォルニア州のユーティリティであるPG&Eで実証実験を行っているほか、最新情報ではドイツ第2位の電力会社であるRWE(エル・ヴェー・エー)への導入も発表されるなど、ますます大きな注目を集めている。
なお、本記事で紹介したOpenFMBやBidgelyの最新サービスの詳細や同展示会についてのレポートは、近々発売予定である。