「2020ビジョン」実現に向けた2015〜2017年度の取り組み
表2 東京ガスの電力事業に関する主な取り組み(2014年10月〜)
出所 東京ガスの「チャレンジ2020ビジョン」実現に向けた2015~2017年度の主要施策(http://www.tokyo-gas.co.jp/Press/20141016-01.pdf)と同社サイト(http://www.tokyo-gas.co.jp/Press/list.html)をもとに編集部が作成
2020ビジョンは、大きく2012〜2014年度(ホップ)、2015〜2017年度(ステップ)、2018〜2020年度(ジャンプ)の期間に分けられ、2014年10月16日には、「2020ビジョン」実現に向けた2015〜2017年度の主要施策が発表された。具体的には、「総合エネルギー事業の進化」「グローバル展開の加速」「新たなグループフォーメーションの構築」の3つの主要施策を取りまとめている注2。
「総合エネルギー事業の進化」においては、次の6つを掲げている。
- 原料調達のさらなる多様化
- 天然ガス普及・拡大に向けたインフラ拡充
- 安全かつ安定的な供給
- 電力販売の拡大
- 競争力ある電源の拡充
- ガスと電気および付加価値を組み合わせた最適なエネルギーソリューション
特に、2016年4月からの電力小売全面自由化に合わせて、これまでの卸・大口の顧客に加えて、家庭用や業務用向けにも電気を販売することを決定し、2020年には約300億kWh(首都圏需要の約1割)への拡大を目指している。加えて、現行約130万kW(自社持分)の電源規模を、2020年には約300万kWに拡充する方針である。また同社は、これに関連して、すでにさまざまな電力事業に関する取り組みを開始している(表2)。
ティージー情報ネットワークのプロフィールと役割
表3 ティージー情報ネットワークのプロフィール
出所 ティージー情報ネットワークのサイト(http://www.tg-inet.co.jp/corporate/corporate.html)をもとに編集部が作成
2020ビジョンには、4つ目の柱としてIT活用に関する記述があるが(図1を参照)、ティージー情報ネットワーク(以下、TGアイネット)は、東京ガスグループの100%子会社(表3)で、インハウスエンジニア(事業者側の技術者)として東京ガスのIT部門を担当している。
東京ガスグループ内にIT活用推進部があり、ここで企画や予算などのIT政策案と統括を行い、それ以外の東京ガスグループ向けシステムの計画から提案、設計・構築・維持管理・運用・保守等のITサービスをすべてTGアイネットが行っている注3。
style="clear:both;" IT本部においては、2020ビジョンの中から、「安定」(災害に強いシステムの実現、障害に強いシステムの実現)、「革新」(新サービスの実現)、「効率」(業務とシステムの効率化)というキーワードでITによる付加価値を定め、目標とする2020年の実現に向けた課題として図3のような10のアクションプラン(施策)を設定している。
TGアイネットは、「事業インフラの担い手」として、これらの実現に向けて東京ガスグループのITを支え、事業を推進している。
図3 2020ビジョン実現を目指したIT本部のアクションプラン
出所 ティージー情報ネットワーク資料より
▼ 注2
http://www.tokyo-gas.co.jp/Press/20141016-01.pdf
▼ 注3
ただし、ガスの工場などの制御は行わない。ITの中でも制御以外の部分を受けもつ。