[特別レポート]

建築とビッグデータ:未来の新しい建築の方向性を探る

― 「2013年度日本建築学会大会」情報システム技術委員会レポート ―
2013/10/01
(火)

去る2013年8月30日から9月1日にかけて、北海道大学を会場として「2013年度日本建築学会大会」が開催された。著者は、同大会中に開催された情報システム技術部門の研究協議会に招待講演者として参加してきた。本大会のテーマは「創(つくる)」。
ここでは、参加者から見た同大会の内容として、特にエネルギーとの関連が深い分野について重点的に紹介する。

2013年度日本建築学会大会の概要

表1 日本建築学会の概要と2013年度日本建築学会大会の開催概要

表1 日本建築学会の概要と2013年度日本建築学会大会の開催概要

一般社団法人である日本建築学会の創立は1886年で、明治19年にまでさかのぼる。創立当初は26名だった会員も、現在では3万5千名を超えるまでとなっている(表1)。

東日本大震災から2年半以上が経った今でも、被災地は大きな傷跡を残したままのところが少なくない。また、自民党政権が「防災・減災等に資する国土強靭化基本法案」注1を提出したことで、今後、公共事業の拡大も予想されている。

そのようななか、建築の創る(つくる)力を見直すことで、未来の新しい建築の方向性を探ることをテーマに、2013年度の大会が開催された(表1)。同大会Webサイト注2によると、今回の登録参加者は9800人を超える盛況となった(なお、次年度の大会は神戸大学にて開催される予定)。

建築におけるセンシングからビッグデータまで

表2 日本建築学会 学術推進委員会一覧

表2 日本建築学会 学術推進委員会一覧

〔出所:日本建築学会組織図(http://www.aij.or.jp/jpn/guide/orgj.pdf)を元に著者作成〕

同大会ではさまざまなテーマで研究協議会や研究懇談会、パネルディスカッションが開催された。それぞれの会は日本建築学会の学術推進委員会が中心となり、企画が行われている。参考までに現在の学術推進委員会の一覧を表2に示す。

この中で著者が参加したのは、情報システム技術委員会による「建築におけるセンシングからビッグデータまでを考える」という研究協議会である。今大会のこのテーマは、同委員会のスマート建築モニタリング応用小委員会が中心となって企画された。当日の発表内容は次のとおりであった(表3、発表者は登壇者のみを記載)。

表3 情報システム技術委員会における発表内容

表3 情報システム技術委員会における発表内容


▼ 注1
https://www.jimin.jp/activity/news/121167.html 参照。

▼ 注2
http://news-sv.aij.or.jp/taikai/2013/ 参照。

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