AllSeen Alliance対応の初のプロダクトも展示
米国クアルコムがリードするAllSeen Allianceは、ホームネットワークに大きなイノベーションを促進するために設立され、家庭や業界において、すべてのデバイス同士がお互いに検出しあい、IP接続を行うIoE(Internet of Everything)のためのプロトコル「AllJoin」をベースに、製品を開発・提供するアライアンスである。
このAllJoinは、もともとクアルコムが開発したP2P(対等通信)型のデバイス接続技術で、リナックスファウンデーション(Linux Foundation注1)が提供しており、すでにオープンソース化されている。
AllSeen Allianceは、ハイアール(海爾集団:中国の大手家電)、LG Electronics(韓国)、パナソニック、クアルコム、シャープ、Silicon Image(米国:半導体)、TP-LINK(中国:通信機器)の7社によって、2013年12月10日に設立された。2014年7月にはマイクロソフト(51番目のメンバー)も参加し、スマート家電やスマートホームへのビジネス展開に意欲を示しており、グーグルが主導するThread Group(スレッド・グループ)やインテルが主導するOIC(Open Interconnect Consortium、オープンインターコネクトコンソーシアム)、アップルのHomeKit(ホームキット)などを意識してこの分野への進出を狙っている。2015年3月現在、メンバーは140社を超え、なお増大している。AllSseen Allianceのプロフィールを表1に示す。
表1 AllSeen Allianceのプロフィール
MWC2015では、AllSeen Allianceの具体的成果として、冷蔵庫や照明をはじめ、オーディオなどを相互に接続したホームネットワークの展示が行われた(写真1、2)。
写真1 AllSeen Alliance対応の冷蔵庫(左)と冷蔵庫のドアに設置された操作パネル(右)
写真2 AllSeen Alliance対応の電球※
※2015年4月から米国で発売されるAllSeen Alliance最初のプロダクト。ソケット部分に低電力Wi-Fiが組み込まれている。欧州でも7月から発売予定。
▼注1:Linux Foundation:2000年に設立。Linux(リナックス)の発展と協調的なソフトウェア開発を推進する非営利コンソーシアム。