[トピックス]

電力市場の新時代の幕開け

2014/04/01
(火)

2014年4月1日から日本の電力体制は、新しい歴史的な1ページを開く。1つ目は、中部電力と関西電力が首都圏に進出し、4月1日から電力供給事業を開始すると発表したことである。これによって、1951年(昭和26年)以来、63年間続いてきた9電力による地域独占体制が事実上崩壊する(注:1972年に沖縄電力が加わって10電力体制となる)。2つ目は、東京電力が4月1日からスマートメーターやコンセントレータの導入や設置を開始し、スマートグリッド時代を迎えることである。

仮日本の電力史を振り返ってみると、電力会社の数は、発電会社や送電会社も含めて、明治40年には116社、大正14年には738社、ピーク時の昭和7年には850社にも達したという。日本にも過当競争期というべきか、電力ベンチャー真っ盛りの自由化時代があったのである。

その後、国家統制など紆余曲折はあったが、1999年の電気事業法改正によって、限定的ながら電力の自由化が促進され、2000年3月から新電力(PPS)の参入が可能となった。その結果、2014年3月14日現在では既に事業の開始もしくは今後事業開始予定の企業は、実に172社にも達している(特定規模電気事業者一覧、http://www.enecho.meti.go.jp/denkihp/genjo/pps/pps_list.html)。そして、2003年に改正された電気事業法は、2005年4月の全面施行によって、小売自由化の対象を高圧(50kW以上)のすべてのユーザーにまで拡大された。さらに2016年には、一般家庭への小売りも含めて100%自由化される予定だ。

このような、自由化が始まる新しい電力市場に向かって、そのビジネスチャンスをものにできるかどうか、まさに新時代の幕開けである。

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