新サービス「ThingWorx Marketplace」と今後のロードマップ
─編集部:新製品と今後のロードマップについてお話いただけますか?
竹村:「ThingWorx Marketplace」のコンセプトは2013年10月に発表しており、2014年前半にリリースする予定です。
先にモデリング、つまりシステム構築技法において他社に比べて10倍の生産性を達成できると述べましたが、この製品によってさらに10倍の生産性が達成できると見込んでいるのです。
モデリングのコンセプトは、いわば基礎に当たる部分の生産性を10倍にすることです。このThingWorx Marketplaceは「組み合わせ」の部分の生産性を10倍にしていきます。
ThingWorxプラットフォームの周囲にあるエコシステムの中には、優れたサードパーティ製のコンポーネントが多数あり、それらを組み合わせて顧客企業の生産性の向上に寄与したいと考えています。1社が単独ですべてを行うのは非常に難しいので、そのために優れた技術や知的財産をもつパートナーとは積極的に手を組んで、Thing Worx Marketplaceを盛り上げていきたいと考えています。
また間もなく発表される新バージョン6.0には、多くの機能が追加されています。特にデバイスレベルの部分にいくつかの特徴的な機能を備えました。ユーザービリティ(使いやすさ)や生産性の向上は従来と変わらず重視しています。
2014年後半には、さらに次のバージョンのリリースも予定しており、そこでは、新たな仕様だけでなく、パートナー企業や顧客企業からのインプットが非常に重要な要素になると考えています。
ThingWorxのようなシステムベンダにとって、顧客企業や現在50社以上あるパートナー企業との密接な連携は必須なのです。
日本におけるM2M/IoTの市場規模と成長分野
─編集部:M2M/IoTの市場動向についてお聞かせ下さい。
竹村:世界中でM2M市場の成長は早く、逆に私たちはその市場に追いつけないのではないかと、それを一番危惧しています。
ThingWorx単体の事業計画としては、2014年は回収規模を倍くらいにしようと思っていたのですが、PTCのCEOが「それでは足りない、もっと増やしなさい、そのためにバックアップをするのでどんどん人を採用しなさい」と言ってくれています。
竹村:日本においても非常に関心が高くなっています。2013年の5月くらいからさまざまな展示会に出展したり、セミナーを開催していますが、通信キャリアやSIer、製造業の方々の関心が高いという印象です。
日本においては、まだ今はテストフェーズで、新しくシステムを作る機会に、何か組み込みたい、あるいは次期事業にプラットフォームを組み入れたい、という話が多くあります。ですから、M2Mプラットフォームに関しては今までにないくらいの反響を感じています。
Westromさんが言われた、2倍では足りないのではないかという話は現実になるかもしれないし、あるいはもっと必要かもしれないという気はしています。
竹村:いわゆるメジャープレイヤーと言われているシスコシステムズやエリクソン、インテル、GE、あるいは携帯電話の通信会社などが、このM2M/IoTのビジネス領域に非常に大きな投資をしています。2014年は市場拡大の波がきているというのは間違いないと実感しています。
─編集部:ありがとうございました。