[スペシャルインタビュー]

開発スピードを10倍に向上させたM2M/IoTの新サービスモデルとビジネス展開

―「ThingWorx」のノンプログラミング開発プラットフォーム ―
2014/04/01
(火)

導入事例に見るThingWorxのプラットフォーム:医療情報の有効利用

─編集部:具体的な導入事例を教えていただけますか?

Westrom:米国では、ある大手医療機器メーカー(病院あるいは検査機関向けの臨床検査機器の会社)が、同社は、従来の「製品を販売して終了」から「継続的なサービス提供」へとビジネスモデルを変化させてきています(図3)。

図3 ThingWorxのプラットフォームを使った大手医療機器メーカーのシステム構成図3 ThingWorxのプラットフォームを使った大手医療機器メーカーのシステム構成
〔出所 ThingWorx〕

まず、同社が基本的に行いたかったことは、次のような内容でした。

  1. 顧客側にある主力製品の1つである血液検査機器などをメンテナンス、またモニタリングしたい。
  2. 何かあった際に、都度人を送ってトラブルシュートするのではなくリモートでそれを行いたい。
  3. ソフトウェアのアップデート

さらに、SalesforceやSAPなどの基幹システムにつなぐことで、修理の際にはアラートを出し、どのような技術をもつ人材を派遣すればよいかを通知する、などの対応も可能になりました。また、検査機器の使用頻度をリアルタイムで把握することにより、これまでのような機器1台当たりの売価設定ではなく、使用頻度に合わせた課金という形のビジネスも生み出しているのです。

図3に示すように、ThingWorxのエージェントを医療機器の中に組み込むことによって、さまざまなデータソースからの多様な情報を得ることができ、これらを利用した付加価値サービスなどによって、同社は新しいビジネスの基盤を作り出したのです。

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