電力自由化に伴う注意喚起
従来からの注意喚起に加えて、2016年2月12日、中部電力では“電力自由化に便乗した悪質な勧誘や詐欺にご注意ください。”という注意喚起を追加発表した(図1)。
図1 電力自由化に伴う注意喚起の例
出所:中部電力Webサイト
この注意喚起では、電力小売の全面自由化に伴う不審な勧誘について、次のような疑問に答えているので、是非確認しておこう。
- 4月までに小売電気事業者を決めないと、電気が止まる」という電話がかかってきましたが本当ですか。
- 電話がかかってきた会社がきちんと電気を売っている会社かどうかわからないのですが、どのように確認すれば良いですか。
- 新しい会社から電気を送るため、電線を引く工事をします。」という電話がかかってきましたが、本当に工事は必要なのですか。
- スマートメーターに取り替えるときにお金がかかる」と言われたのですが本当ですか。
- 「このマンションに住んでいる人は、うちと契約してください」という勧誘があったのですが、そういうことはあるのですか。
悪徳商法に騙されないようにするための基礎知識
悪徳商法は、あの手この手で利用者をだまそうとアプローチしてくるので、こちらもある程度の知識武装をしておく必要がある。例えば、電力関連の基礎知識として、つぎのようなことは頭に入れておきたい。
<電力会社では定期的に電気メーターの取替を無料で行っている。>
電力会社では、法律に従い、電気メ-ターの交換を行っている。ただし、工事は電力会社が認定した施工者が実施し、費用は無料だ。
<電気を販売する「小売電気事業者」は国の登録を受けている。>
国の登録を受けた「小売電気事業者」かどうかは、資源エネルギー庁ホームページ「登録小売電気事業者一覧」で確認できる(図2)。
図2 登録小売電気事業者一覧
<電力小売全面自由化5つの嘘>
また、電力取引監視委員会が公表している最新情報を定期的に確認しておくことも有効な防衛策の1つになる。例えば、「騙されないで!電力小売全面自由化5つの嘘」について、自分は騙されない自信があるかどうか確認しておくとよいだろう(図3)。
- 嘘1:契約した会社が倒産したら、ただちに電気は止まってしまいますよ
- 嘘2:規模の小さい会社と契約すると、電気が不安定になります
- 嘘3:電力会社を変えると、新たに電線を引かなくてはいけないですよ
- 嘘4:スマートメーターに取り換えると費用がかかりますよ
- 嘘5:4月までに何もしないと、電気は止まってしまいますよ
図3 電力取引監視委員会ホームページ
さらに、電力取引監視委員会では、自由化の実施に伴い、消費者が事業者との間での契約トラブルや悪質な事業者による詐欺行為などによるトラブルに巻き込まれるのを防止するための施策を、これまで以上に強化するため、2016年2月12日、独立行政法人国民生活センターとの連携協定を締結した。
この結果、今後、国民生活センターは、消費者から寄せられる契約のトラブルなどに関する情報(全国の消費生活センターに寄せられるものも含む)を随時、電力取引監視等委員会に提供することになる。また、電力取引監視等委員会は、提供された契約トラブルなどについて、アドバイスすべき事項を国民生活センターおよび全国の消費生活センターに提供するという。
早速、この連携協定に基づき2016年3月14日、国民生活センター及び各地の消費生活センター並びに電力取引監視等委員会から、「あと3週間で電力自由化がスタートします~相談事例の紹介と、アドバイスを提供します~」が公表された。
ここには電力自由化をめぐるトラブルの最新事例が速報として紹介されているので、目を通しておくだけでも防衛策の1つになるはずだ。
4月以降、新手の悪徳商法が登場してくるものと予測されることから、被害に合わないための努力は継続していかなければならないだろう。