エネルギービジネスへの取り組みを強化
米国シリコンバレー(カリフォルニア州パロアルト)に2003年7月に設立されたテスラ(Tesla, Inc.、表1)は、当初は高級スポーツカータイプの電気自動車(EV)とEV関連商品を開発・製造・販売する自動車会社としてスタートした。社名は、交流モーター(交流誘導電動機1888年に特許を取得)を発明したニコラ・テスラ氏(Nikola Tesla、1856〜1943年)の名前に由来する。
表1 テスラ社のプロフィール(敬称略)
出所 各種資料を元に編集部作成
同社はその後ビジネス領域を拡大し、現在では、太陽光などの再生可能エネルギー(以下、再エネ)による発電システムと電気の貯蔵システム(蓄電池)、低価格のEVなどの販売を展開している。このようなビジネスを通して、世界におけるエネルギー利用形態について、持続可能なエネルギーへと移行していくことを会社のミッションとしている。
写真1 テスラ社長 Elon Musk(イーロン・マスク)氏
そのため、最近では製品の中核の1つにバッテリー(蓄電池)を据え、さらに太陽光発電事業を展開していた米国ソーラーシティ(SolarCity)社を2016年11月に買収し、家庭の屋根に取り付ける住宅太陽電池パネル(太陽光発電システム)の提供も開始している。
このように、同社はエネルギービジネスへの取り組みを強化しており、2017年2月1日から社名も従来のテスラモーターズ(Tesla Motors, Inc.)からテスラ(Tesla, Inc.)へ変更した。
ここでは、まず、テスラの最近のトピックであるギガファクトリーの最新の稼働状況から紹介しよう。
▼ 注1
ENERGY STORAGE SUMMIT JAPAN 2016(ESSJ 2016):「エナジー・ストレージ・サミット・ジャパン」国際会議・展示会、2016年11月8〜9日、東京・ベルサール渋谷ファーストにて開催。