新しいテクノロジーについて、大胆な未来を予測するハイプ(Hype、誇大な宣伝)が起こっているとき、企業は、そのテクノロジーの真の可能性を見極めるにはどうすればよいか。果たしてそのテクノロジーは本当に実現されるのか。それはいつなのか。
2,000を超えるテクノロジーを分析・抽出
業界最大規模のITアドバイザリー企業(リサーチ&コンサルティング)である「ガートナー」(表1)は、「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2017年」(Hype Cycle for Emerging Technologies, 2017注1)を、2017年8月15日に発表した(図1)。同社が毎年発表しているハイプ・サイクル(Hype Cycle)とは、IT関連における特定の技術の成熟度や採用度、社会への適用度などを、グラフィカルな曲線で表したものである。
図1 先進テクノロジのハイプ・サイクル:2017年
出所 ガートナー(2017年8月)、https://www.gartner.co.jp/press/html/pr20170823-01.html
http://www.gartner.com/newsroom/id/3785664
ガートナー社の「先進テクノロジのハイプ・サイクル」は、数あるハイプ・サイクルの中でも独特のもので、最新の2,000を超えるテクノロジーの中から知見を抽出し、注目すべき先進テクノロジーおよびトレンドとして簡潔にまとめ、提示している。
表1 ガートナー社のプロフィール
今回の発表で同社は、企業が今後5〜10年にわたってデジタル・エコノミーの世界で生き残り、成功することを可能にする、次の3つのメガトレンドを明らかにした。
今後5〜10年で重要になる3つのメガトレンド
〔1〕AI、イマーシブ、プラットフォーム
2017年のハイプ・サイクルでは、今後5〜10年で重要になる3つのメガトレンドとして、
- どこでもAIとなる世界(AI Everyware)
- 透過的なイマーシブ・エクスペリエンス(没入型の体験:Transparently Immersive Experiences)
- デジタル・プラットフォーム(Digital Platform)
を挙げている(詳細は後述)。
〔2〕テクノロジーとトレンドを業種横断的に提示
ハイプ・サイクルは、企業におけるビジネス戦略担当者やイノベーション責任者、研究開発リーダー、起業家、グローバル市場の開発担当者、先進テクノロジ・チームなどが、先進テクノロジのポートフォリオ(一覧)を策定する際に考慮すべきテクノロジーとトレンドを、業種横断的な視点から提示している。
▼ 注1
http://www.gartner.com/newsroom/id/3784363
・日本語プレスリリース:ガートナー ジャパン(株)、2017年8月23日