[クローズアップ]

5Gを見据えた楽天クラウドイノベーションラボを公開!

― 世界初! クラウドネイティブネットワークの大規模な試験基盤を構築 ―
2019/03/08
(金)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

楽天グループの楽天モバイルネットワーク株式会社(以下、楽天モバイル。表1)は、5G時代を見据えて、インドのテックマヒンドラ社(Tech Mahindra)(注1)と連携し、世界初のクラウドネイティブネットワークを再現する「楽天クラウドイノベーションラボ」を設立した。同ラボは、次世代ネットワーク(4G/5G)に関する大規模な試験プラットフォーム(基盤)を備えた先進的な施設となっている。ここでは、同ラボの完成記念内覧会(注2)の様子をレポートする。

完全仮想化クラウドネイティブネットワーク

 楽天モバイルは、NTT、KDDI、ソフトバンクに次ぐ第4の移動体通信事業者(MNO:Mobile Network Operator)として新規参入し、2019年10月からモバイル通信サービスを開始する注3

表1 楽天モバイルネットワークのプロフィール(敬称略:順不同)

表1 楽天モバイルネットワークのプロフィール(敬称略:順不同)

出所 https://mobile-network.rakuten.co.jp/about/

 今回設立されたラボは、商用向けの4G(LTE)と5G(NR)を同一プラットフォームで再現できる設備を整え、2020年から日本でも本格化する5G商用サービスに対応可能な「5Gレディ」なラボとなっている。特に5Gは、従来のモバイルが「人と人の通信を基本」としていたツールであるのに対し、「あらゆるモノや人がつながるIoT時代」を拓く技術として国際的に期待が高まっている。

〔1〕ラボは「5Gレディ」な構造

 楽天モバイルは、すでに2019年2月、世界初のエンドツーエンドの完全仮想化クラウドネイティブネットワークに関する実証実験を成功させ、現在、2019年10月からのモバイル通信サービスの開始に向けて、通信ネットワークや基地局を急ピッチで構築している。

 公開された「楽天クラウドイノベーションラボ」のインフラストラクチャは、

  1. 無線アクセスネットワーク(RAN。端末から基地局までのネットワーク)から
  2. コアネットワーク(基地局からのデータをルーティングするなどの中核的なネットワーク)

までが、すべて汎用サーバを用いて完全に仮想化されており、このラボでエンドツーエンドの完全仮想化クラウドネットワークを再現できる仕組みとなっている。

 具体的には、ネットワークとサービスオペレーションの双方がエンドツーエンドで自動化された、世界初のクラウドネイティブネットワークだ注4。このラボのエンドツーエンド試験設備と商用ネットワークを連携させることによって、商用ネットワーク設備のバグ(不都合など)を早期に発見したり、短期間に新サービスを提供したりできるなど、柔軟で品質の高い商用ネットワークを実現できる。

写真1 楽天クラウドイノベーションラボについて語る三木谷 浩史氏(楽天株式会社 代表取締役会長兼社長)

写真1 楽天クラウドイノベーションラボについて語る三木谷 浩史氏(楽天株式会社 代表取締役会長兼社長)

出所 編集部で撮影

〔2〕最後発だからこその強み:5Gと4Gを同じネットワーク上に構築

 完成披露内覧会で挨拶に立った楽天株式会社 代表取締役会長兼社長 三木谷 浩史氏(写真1)は、「今まさに5G時代がそこまで迫り、モバイルビジネスが違う次元に進もうとしています。そのような中で、楽天モバイルは、旧来型のネットワークではなく、最初から5G型(5Gレディ)のネットワークを構築し、その上に4Gネットワークを乗せていくという新しい形で事業を進めています」と語った。

 さらに、最後発で移動通信事業に参入することに対しては、「歴史のある他の通信事業者さんは5Gと4Gを違うネットワークとして構築しなくてはなりません。楽天モバイルは、IT企業の強みを活かして、完全に仮想化したクラウドネイティブなネットワークによって、5Gと4Gを同じネットワーク上に構築できます。しかもこのラボと実サービスしている商用ネットワークを連携させ、不都合が発生した場合には、リアルタイムに対応できることも大きなアドバンテージです」と、世界で初めてのクラウドネイティブの5Gネットワークへの意気込みを語った。

 同ラボの試験設備は、従来の「開発から新サービス提供までに長い時間と高いコストをかけて商用ネットワークを展開する手法」に比べて、

  1. 小規模なソフトウェア単位で、短期間に自動的に試験を繰り返す手法を採用。これによって、試験期間の短縮とコスト低減を実現できる
  2. 新サービスを展開した際に発生するネットワークの不具合を低減でき、高品質で安定したサービスを継続的に提供できる

などが可能となる。

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