[新動向]

IoTデバイスをセキュアに一括管理できるホームルータ「F-Secure SENSE」

― クラウドとスマートホームHUBへのサイバー攻撃を阻止 ―
2018/02/07
(水)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

フィンランドに本社に置くF-Secure(表1。日本法人はエフセキュア株式会社)は、法人向け/コンシューマ向けオンラインセキュリティおよびプライバシー保護関連の製品を提供している。
同社は、IoTの進展によるスマートホームやコネクテッドホーム市場の拡大を背景に、セキュリティ機能を強化したホームルータ「F-Secure SENSE」を開発し、2018年2月、日本市場に投入する。
ここでは、まず世界のIoT市場の動向を見た後、同ホームルータについて紹介する。
本記事は、F-Secureのバイスプレジデント 製品管理担当 アンテロ・ノルキオ(Antero Norkio)氏、およびディレクター APACビジネス担当 カレ・コルピ(Kalle Korpi)氏への取材をもとにまとめたものである。

表1 F-Secure(エフセキュア)のプロフィール(敬称略)

表1 F-Secure(エフセキュア)のプロフィール(敬称略)

※1ユーロ=135円で換算
出所 F-Secureの資料をもとに編集部で作成

2020年に向けたIoT全体の市場規模

〔1〕2020年に2,500億ユーロ(33兆7,500億円)へ

 米国の市場調査会社のボストンコンサルティンググループによると、全世界におけるIoT全体の市場規模は、2020年に2,500億ユーロ(33兆7,500億円。1ユーロ=135円で換算)になると予測されている。

 その中で図1に示すように、「アイデンティティ(プライバシー保護)とセキュリティ」は、2015年に30億ユーロ(4,050億円)、2020年に200億ユーロ(2兆7,000億)と予測されている。調査会社によって予測に違いはあるものの、市場が急速に拡大していることが見てとれる。

図1 全世界のB2B-IoTにおける市場動向

図1 全世界のB2B-IoTにおける市場動向

※CAGR:Compound Average Growth Rate
出所 ボストンコンサルティンググループの資料をもとに日本語化して作成、2018年1月22日

図2 全世界におけるIoTデバイスの出荷状況

図2 全世界におけるIoTデバイスの出荷状況

CAGR:Compound Average Growth Rate、年平均成長率
出所 Gartnerの調査資料をもとにF-Secureが作成、2018年1月22日

 また、ガートナー(Gartner)の調査によるIoTデバイス注1の出荷数を見てみると、図2に示すように、コンシューマ向けIoTデバイスとビジネス向けIoTデバイスの合計は、

  1. 2017年に84億デバイスであったが
  2. 2020年には204億デバイスに達する

と見られており、その年平均成長率(CAGR)は35%と予測されている。

〔2〕2つの市場を統合する新しい市場

 図3は、エンドカスタマー(一般ユーザー)市場とオペレータ(通信事業者)市場という、2つの市場をまとめて統合管理する新たな国際市場が登場し、その中にセキュリティを組み込む市場が形成されてくることを示した図である。

図3 2つの市場を統合する新しい市場規模

図3 2つの市場を統合する新しい市場規模

EPP:Endpoint Protection Platform、エンドポイント保護プラットフォーム。企業のツールセット(製品やサービスのセット)の基盤を形成し、マルウェア対策スキャンをはじめ多くのエンドポイント・セキュリティ機能を提供
SDN:Software Defined Networking、ソフトウェア技術によってネットワークの仮想化を実現し、この仮想ネットワークの構築や制御を、ソフトウェアで行えるようにする技術
NFV:Network Function Virtualization、ネットワーク機器(ルータやスイッチ等の専用機器)の機能を汎用サーバ上でソフトウェアとして提供する技術
vCPE:virtualized Customer Premises Equipment、ユーザー宅内にある通信設備(CPE)のうち、各種のIP機能(DHCPやIpv6、NAT等の機能)を通信事業者のネットワーク側に移し仮想化すること。これによってTCO(総所有コスト)削減やネットワークの高度化に対応可能
SoHo:Small office Home office、自宅や小さなオフィスなどで仕事をする事業者
SME:Small to Medium Enterprise、中小企業
出所 F-Secureの資料より、2018年1月22日

 具体的には、図3左下段に示すエンドポイント保護プラットフォーム(EPP)が60億ドル(約6,000億円、2020年。1ドル=100円で換算)以上、コネクテッドホーム/IoTが200億ドル(2兆円。2018年)という市場がある。

 図3を見ると、5〜10人程度の小規模なSoHo/SMEオフィス(法人)には、コンシューマ製品を使うIoTセキュリティ市場があり、また家庭用のWi-Fiルータの中にもセキュリティ機能を搭載する市場もある。

 図3の右側に、オペレータ(ISP)市場を示すが、ISPは単にネットワーク接続機能を提供するだけでなく、よりセキュアな接続に焦点を当てたネットワークセキュリティが100億ドル(約1兆円。2020年)の市場も提供する。同時に、SDN/NFV、vCPEなど各種の仮想デバイスを提供する市場も登場してきている。

 このような市場のなかでF-Secureは、単独で製品の機能をアピールするようなビジネス展開ではなく、主にオペレータパートナーとの協業によるOEM製品を投入しビジネスを展開してきた。

 同社はこれまで、すでにパソコンやスマートフォン(AndroidおよびiOS)のセキュリティについては、全世界で200社以上のオペレータと協業してビジネスを展開し、日本でも複数社のオペレータパートナーと展開してきたが、これをIoT分野にも拡大し展開している。


▼ 注1
IoTデバイス:ここでいうIoTデバイスとは、ネットワーク機能を備えた、ゲーム機や、LEDランプ(照明器具)、エアコン、冷蔵庫などのデバイス群を意味している。

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