2030年までに達成すべき持続可能な開発のための世界の目標として「SDGs注1」の実現が自治体にも求められるなか、「エネルギーを基軸とした地方創生」「経済の循環型社会」を実現することを目指して、一般社団法人 日本サステイナブルコミュニティ協会(JSC-A注2)が設立された。
現在、日本では、地方の過疎化や地方経済の縮小などによって、都市と地方の格差が加速しており、日本特有のエネルギー問題や地方創生という課題を解決する手段として、再生可能エネルギーを基軸とした地域創生が求められている。
エネルギーを中心とする地方の新たな成長戦略として、地域資源の有効活用や熱利用に代表されるエネルギーの高効率な利用を行い、地域をマイクログリッド&スマートコミュニティ注3(図)として活性化させていく必要がある。さらに、これらの地域間を連携させたサステイナブルコミュニティ注4を形成することによって、持続可能な循環型地域経済圏確立を目指す。JSC-Aは、これらの事業化を支援する。
図 マイクログリッド&スマートコミュニティのイメージ
具体的には、JSC-Aでは、海外事例に学び、日本に即した事業化を目指していく。特に豊富に存在する森林資源や生ごみ、屎尿(しにょう)、畜糞などの有機資源を活用する小規模な熱電併給システム(バイオマス発電など)を中心とする高効率なエネルギー事業の事業計画策定、ファイナンス形成支援や地域のまちづくり支援を行うことによって、地方の活性化、さらには新たな地方の成長促進を目指していく。
注1
SDGs:Sustainable Development Goals、エスデージーズ。国連で、17つの目標を掲げた持続可能な開発目標が策定され、第70回国連総会で『我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ』が2015年9月に採択された。
注2
JCS-A:Japan Sustainable Community Association
注3
マイクログリッド&スマートコミュニティ:家庭やビル、交通システムをITネットワークでつなげ、電気や熱などのエネルギーを有効利用する次世代の社会システムのこと。
注4
サステイナブルコミュニティ:地域のふれあいや、環境への配慮のあるコミュニティ同士が繋がった持続可能な社会のこと。