企業はサイバーレジリエンスにどう取り組むべきか(前編)

― Cyber Everywhere、Cyber by Design時代の企業防御策 ―

インプレスSmartGridニューズレター編集部

2019年3月8日 0:00

企業活動において、いまやサイバーセキュリティへの対応は避けて通れない。国際競争入札などでもサイバーセキュリティ対策は非常に重要でグローバルスタンダードとなっている。
ここでは、サイバーセキュリティの先進国であるイスラエルの電力会社「イスラエル電力公社」とセキュリティベンチャー企業「CyberGym」の取り組みについてお聞きした。
サイバー攻撃成功の多くが人的要因に起因しているという考えのもと、責任分野ごとの社員トレーニングに取り組み、重要インフラを防御している両社の実績は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックをはじめとするさまざまな国際的イベントを控えている日本にとって、貴重なヒントとなるはずである。前後編で詳細をお届けする。

イスラエル電力会社のプロフィール

─編集部 イスラエル電力公社について簡単に説明していただけますか?

Shneck イスラエル電力公社(IEC)はイスラエルにおける電力事業を行っている独占企業で、1923年に設立されました(表1)。イスラエル建国注1よりも20数年前ですので、イスラエルの中では最も古い会社です。

 電力事業に関するすべてのサプライチェーン、「発電」「送電」「売電」までを一貫して扱っています。

Mr. Yosi Shneck

─編集部 イスラエルにおいては電力の自由化がされているのですか。

Shneck 日本と同様、自由化が進められています。

 発電資産に関して、IECが70%を保有し、30%については民間への売却が進んでいます。民間がこれからどんどん参入してくるとことになっています。

 一方、他の送電、売電などのサプライチェーンに関しては、IECが引き続き独占企業として運営しています。

 今後8年間、ステップを踏んでいき、最終的にはIECが40%の発電をコントロールし、送配電に関しては100%、サプライチェーンに関しては60〜70%を、IECが事業展開していくことになります。

 これは2018年からの8年計画で、2026年までにこの計画を達成することになっています。

 IECは、イスラエル政府が99.85%の株式を保有している国営企業ですが、民営化のため株式を公開できるよう準備しています。

─編集部 従業員はどのくらいいらっしゃるのですか?

Shneck 現在、従業員は1万2,000人ですが、今後、縮小していき、先に述べた8年間(2026年まで)のプロセスで、9,000人まで整備していくことを考えています。


▼ 注1
イスラエル建国は、1948年5月14日。

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