[スペシャルインタビュー]

AutoGrid Systems, Inc. CEO Amit Narayan(アミット・ナラヤン)氏に聞く!柔軟性エネルギー管理ソリューションによるAutoGridの日本戦略

― 変革する電力市場で商用化に向けた事業展開を強化 ―
2019/09/11
(水)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

電力/エネルギー業界向けに柔軟性管理アプリケーションを提供しているAutoGrid Systems(以下、オートグリッド社)は、7月18日、オートグリッドシステムズジャパン株式会社(以下、オートグリッドジャパン)の設立後、同社の日本市場での取り組みを発表した。
オートグリッド社は、2013年頃からすでに日本市場に参入していたが、今回、オートグリッドジャパンの設立により変革・拡大する日本のエネルギー市場に、より積極的に参入する意向を示した。オートグリッド社の日本における戦略や事業展開を、同社CEOであるAmit Narayan(アミット・ナラヤン)氏にお聞きした。

オートグリッドジャパン設立の背景

〔1〕オートグリッド社とは?

Amit Narayan

―編集部 オートグリッド社についてお聞かせください。

Narayan オートグリッド社(表1)は、分散型エネルギーの世界を実現するソフトウェアアプリケーションを提供しています。私たちがエネルギー事業者向けに提供している柔軟性エネルギー管理ソリューションは、規制市場あるいは自由市場のいずれにも適応する多機能なプラットフォーム技術によって、フレキシブルな分散型エネルギー源(DER)注1、およびデマンドレスポンス(DR)注2への活用を実現させます。

表1 オートグリッド社の会社概要(敬称略)

表1 オートグリッド社の会社概要(敬称略)

出所 編集部作成

 現在、12か国、3つの大陸でビジネスを展開し、5,000MW以上のDER契約のほか、世界で50を超える大手エネルギーサービス供給事業者と提携しています。提携会社の一例を挙げますと、シュナイダーエレクトリック(フランス)、CLPホールディングス(香港)、CPSエナジー(米国)、ナショナルグリッド(英国)、ネクステラエナジー(米国)、ロイヤル・ダッチ・シェル(オランダ)、トタル(フランス)などです(図1)。

図1 オートグリッド社の概要

図1 オートグリッド社の概要

出所 オートグリッド社プレゼンテーション資料より

〔2〕なぜオートグリッドジャパンを設立したか

―編集部 オートグリッドジャパンを設立した目的をお聞かせください。

Narayan 私たちは、2013年から日本企業をパートナーとして日本市場での活動を展開しており、その特徴や状況は十分理解しています。今年の11月から開始する卒FIT注3や、2020年4月1日に開始する発送電分離注4などで、日本のエネルギー市場がダイナミックに変革しようとしているいま、私たちはさらに厚くサポートしたいと考え、日本にオフィスを構えることにしました。


▼ 注1
DER:Distributed Energy Resources。再エネ(太陽光パネルなど)や蓄電池など、需要地近くに設置された分散型エネルギー資源。大規模火力発電所などの集中型エネルギー源と対をなす。

▼ 注2
DR:Demand Response、需要と供給のバランスを取るために、電力会社からの指令に基づき、事前の契約に基づいて一時的に需要削減を行うこと。

▼ 注3
FIT(Feed-in Tariff)は再エネの固定価格買取制度のこと。再エネで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取る制度。2009年から10年固定買取価格でスタートした住宅用FITは、2019年11月以降、買取期間が順次満了となる。これを「卒FIT」と呼ぶ。買取期間が終了する家庭は2019年だけでも53万件ともいわれている。

▼ 注4
経済産業省・資源エネルギー庁が進める電力システム改革の最終段階(第三弾)の改革。これまで電力会社が独占していた「発電」「送配電」「小売」の3部門をそれぞれ市場に開放する施策。2020年4月の完全自由化を目指している。

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