2011年3月11日に発生した東日本大震災以降、2018年9月6日の北海道胆振(いぶり)東部地震によるブラックアウトなどを含めた一連の災害の経験から、電力インフラのレジリエンス(復元力)を高め、持続的な安定供給体制を構築していくことの必要性が改めて認識された。
また、電力システム改革は、最終の第3段階として、2020年の発送電の法的分離を目前に控えるなど、電力ネットワーク事業を取り巻く環境は、大きな変革の波が押し寄せている。同委員会では、次の5つの課題認識のもとで議論が行われ、中間整理(案)がまとめられた。
- 再エネの大量導入(第五次エネルギー基本計画で再エネの「主力電源化」)
- 北海道胆振東部地震によるブラックアウト等、災害の教訓を踏まえたレジリエンスの強化
- 送配電設備の老朽化と更新投資ニーズの高まり
- 電気の流れが双方向化していく中で、デジタル技術による最適化
- 人口の減少と電化の進展に伴う電力需要の見通しの不透明化
例えば(5)の電化(自動車の電動化)については、EVの普及と調和しながら、できる限り系統の増強を回避して社会的なコストを抑えることが重要となる。このため中間整理(案)では、複数台の充電器(需要側)が同時充電する際に、出力制御して最大消費電力を抑えるといった「需要側でのコネクト&マネージ」(図)を促すことが、将来必要になることなども指摘されている。
図 需要側コネクト&マネージの例
注 https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/datsu_tansoka/006.html