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【東京モーターショー2019 レポート】脱炭素社会の実現に向けて急速に変革する自動車産業

― 加速するEV、CASE・MaaS、AI・IoTなどが新潮流に ―
2019/11/08
(金)
奥瀬 俊哉 コントリビューティングエディター/インプレスSmartGridニューズレター編集部

 ホンダ初の都市型EV「Honda e」は、先行して英国、ドイツ、フランス、ノルウェーの4カ国で受注・予約を開始しているが、日本では2020年中の発売が予定されている。

 「Honda e」の開発コンセプトは、「シームレスライフクリエーター」(クルマをもっと人に寄り添う存在にしたい)である。その基本仕様は次の通り。

①航続距離は1充電で220㎞(モーターは後輪駆動のみ)

②電池容量はリチウムイオン電池「35.5kWh」

③急速充電に対応し30分で80%まで充電可能

 航続距離は220㎞と比較的小さい。これは、「Honda e」が身近な都市型の使用用途を想定して開発されたため、大容量化せず、軽量化し、価格も安くできるためだとしている。図1に、「Honda e」のプラットフォームの構造を示す。

(3)サイドカメラミラーシステムを採用

 「Honda e」サイドミラーは、カメラによる「サイドカメラミラー方式」を標準で搭載している。また、車内のフロントには大画面の液晶パネをル使用し、ホンダAI音声アシスタントというAIを導入。例えば「明日の天気はどう?」と聞くと、「明日は曇りのち晴れ」というようなレスポンスが音声で返ってくる仕組みとなっている。また、スマホを介して、遠隔から車両にアクセスできる。これによって、バッテリーの充電状況や車両の状態、車内の空調管理、セキュリティ状況などを監視できる。

 充電用プラグは、写真7の左側のEVのボンネットの黒い四角の部分に、写真7の右下のように設置されている。

 EV車の価格は欧州では、約2万6,160ユーロ(日本円で約350万円程度)となっている。

 なおホンダは、欧州の大手電力会社であるバッテンフォール(Vattenfall、スウェーデン)と提携し、EVの販売促進のため欧州におけるEVユーザーの充電コストを引き下げることを発表した(2019年10月23日)。

〔5〕三菱自動車:再エネと連携した「DENDO DRIVE HOUSE」

 三菱自動車は、クルマと再エネの連携として、プラグインハイブリッドEV「アウトランダーPHEV」とともに、太陽光発電による電動車への充電や、電動車から家庭への電力供給という流れをビジュアル化し、電気代の節約や緊急時の非常用電源としての利便性などを、「DENDO DRIVE HOUSE」(写真8)として展示していた。

写真8 三菱自動車のDENDO DRIVE HOUSEと設置されたV2H機器

写真8 三菱自動車のDENDO DRIVE HOUSEと設置されたV2H機器

出所 筆者撮影

 また、サニックスと提携し、2019年10月3日から、「電動DRIVE HOUSE」を一部地域で販売を開始した。「電動DRIVE HOUSE」は、太陽光パネルやV2H機器(写真8右)などで構成するシステムをパッケージ化し、三菱自動車の電動車の購入と合わせて、販売会社が販売・設置からアフターメンテナンスまでをワンストップで提供するサービスである。燃料代の節減はもとより、停電時の非常用電源としても使えるなど、三菱自動車の電動車を中心とした新しいエネルギーサイクルを提供する。

〔6〕タジマモーターコーポレーション(タジマモーター):超小型化EVを共同開発

写真9 共同開発した超小型化EV

写真9 共同開発した超小型化EV

出所 筆者撮影

(1)出光興産とMaaSビジネスモデルを開発

 タジマモーターは、自社だけでなく各分野のエキスパートおよび最先端企業の力を集結し、新しいEVづくりだけでなく“EV社会”の可能性を追求した Mobility Life Design事業の開発に取り組んでいる。

 会場では、新たな取り組みとして出光興産と次世代モビリティおよび、MaaSに関する取り組みをさらに加速させるため、次世代モビリティおよびMaaSビジネスモデルの共同開発に関するMOU(基本合意書)を締結したことを発表した。

 出光興産は、所有するSS(サービスステーション)ネットワークや素材開発のノウハウと、タジマモーターがもつEVなどの車両開発のノウハウをかけあわせて、新しいモビリティ社会の共創を目指している。

(2)超小型EV・FCV等の開発と完全ゼロエミッションの充電ステーション

 出光興産とのMOUでは、超小型EV(写真9)や、電動によって時速20km未満で公道を走ることが可能な4人乗り以上の公共の移動手段である「グリーンスローモビリティ」や、FCV(燃料電池車)および電動車椅子などの次世代モビリティに関して、共同で検討・開発するとしている。

 また、再エネとの連携として、完全ゼロエミッションの充電ステーション(写真10、ワイヤレス充電)が展示されていた。このステーションは、次の2社の製品で構成されている。

  1. 超小型モビリティ向けEV専用非接触充電システム:ダイヘン製
  2. 青空コンセント(太陽光発電+蓄電池システム):T・プラン製

写真10 完全ゼロエミッションのワイヤレス充電ステーション

写真10 完全ゼロエミッションのワイヤレス充電ステーション

出所 筆者撮影

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