2020年3月末から、5G商用サービスが開始された。日本でも5G時代の到来である。
5Gは、超高速・大容量通信、IoT端末の大量接続、超低遅延・高信頼通信など、従来のモバイル通信にない特徴を備えているところから、スマートフォンをはじめ、スマートメーターや各種センサー、さらにスマートシティ、スマート工場、自動運転車など、幅広い用途が期待されている。
また、5Gでは、IoT端末の大量接続が明確に位置づけられているため、従来の3Gや4G(LTE)と異なって、最初からインターネット機能を包含している。このため、あらゆる産業に多大なインパクトを与える無線ネットワークともなっている。
5Gは、スマートフォン(端末)と基地局間を無線でつなぐ5G NR(New Radio)という無線方式が規格化されており、これによって10Gbpsを超える超高速通信が可能となる。今回開始される商用サービスは、この5G NRと既存の「4Gのコアネットワーク」を活用して構成するため、NSR(Non Standalone)方式と呼ばれる。しかし、2019年12月に「5Gコアネットワーク」が規格化されたため、今後は、5Gの機能を100%発揮するサービスが実現できるようになる。2023年頃になると、「5G NRと5Gコアネットワーク」によるフル規格による5Gサービスが提供され、本格的なエッジコンピューティングなどが可能になる。フル仕様の5Gネットワークは、SA(Standalone、すべて5G規格で実現)方式と呼ばれる。引き続き5Gのダイナミックな進化・発展に注目していきたい。
表 各社の5G商用サービスの内容(一部予定)
出所 各キャリアのWebサイトをもとに編集部で作成