門林 雄基(かどばやし ゆうき)氏
国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 教授
【表彰理由】 産官学連携によるセキュリティ分野の研究開発に20年以上、人材育成に10年以上にわたり従事。奈良先端科学技術大学院大学内に「サイバーレジリエンス構成学研究室」を立ち上げ教育・研究に尽力。ITU-T7サイバーセキュリティ作業部会主査、NICTのCYDER実行委員会実行委員、WIDE PROJECT8ボードメンバー。IPA産業サイバーセキュリティセンター(ICSCoE)の「中核人材育成プログラム」の講師として広い視野を持った人材育成に寄与している。
(表彰式は都合により不参加)
砂原 秀樹(すなはら ひでき)氏
慶應義塾大学 大学院メディアデザイン研究科 教授
【表彰理由】 文部科学省「先導的ITスペシャリスト育成推進プログラム(IT Keys)」、同「成長分野を支える情報技術人材の育成拠点の形成(enPiT)」等、産学協働による高度情報セキュリティ人材育成プログラムにおける中心的存在として中核人材の育成に貢献。「戦略的イノベーション創造プログラム」でのサイバーセキュリティ人材育成のための教材開発等にも尽力している。
【受賞のことば】大学では学部生にも教えていますが、その学生たちがサイバーセキュリティをきちんと理解したうえで各自の専門分野、例えばロボティクスやバイオなどのプロフェッショナルとして育っていくということが大切。あわせてIT Keys9といったトップ人材を育てるための施策も展開するなどして、セキュリティ人材の全体的な底上げを図っていきたいと考えています。
図4 砂原氏とセキュリティ人材育成との関わり
登 大遊(のぼり だいゆう)氏
東日本電信電話株式会社 ビジネス開発本部 特殊局員
【表彰理由】 NTT東日本とIPAが共同開発した「シン・テレワークシステム」のコアとなる「SoftEtherVPN」を、筑波大学在学中の2003年度よりIPA未踏ソフトウェア創造事業として開発、さらにJ-LIS10とともに地方自治体向けのセキュアなテレワーク環境も創出。セキュリティ分野における独創性豊かな最新技術を生み出し、有効なICTサービスの独自開発に取り組み続けている。
【受賞のことば】SoftEtherVPNを活用して外国政府の検閲ファイアウォールを回避するシステムを興味半分で作り、そのおかげで分散した大規模なシステムを安定的に稼働させる技術が身に付き、それが最終的にシン・テレワークシステムにつながっています。自由な発想やその試行錯誤はとても大切で、それらを何の制約もなく試せる場が大学や研究施設にもっと増えるといいと思っています。
図5 NTT東日本での試行錯誤のシーン
▼ 注7
ITU-T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector、国際電気通信連合 電気通信標準化部門
▼ 注8
広域に及ぶ分散型コンピューティング環境に関する、 産学共同の研究プロジェクト
▼ 注9
IT Keys:IT Keys:IT specialist program to promote Key Engineers as securitY Specialists。平成19(2007)年10月に「文部科学省:平成19年度先導的ITスペシャリスト育成推進プログラム」の1つとしてスタートした。情報セキュリティ分野における世界最高水準の人材育成拠点の形成を目的としたプロジェクト。
▼ 注10
地方公共団体情報システム機構