消費電力を抑えるハイパースケールデータセンターの登場
図3は、従来型(Traditional)、クラウド従来型(non-Hyperscale)、ハイパースケール型(Hyperscale)の消費電力の推移を示しているが、高い省エネ性能をもつハイパースケール型の比率が増えることによって、データセンター全体の消費電力の伸びが抑えられていることを示している。
図3 データセンタータイプ別の世界のデータセンターエネルギー需要(2010~2022年)
〔出典〕IEA(International Energy Agency、国際エネルギー機関)
SDS:Software-Defined Storage、コンピュータが使用する従来型ストレージ(外部記憶装置)のハードウエアとソフトウエアの機能を分離し、物理的なハードウエアに依存しないで、汎用サーバでもソフトウエアの機能によってストレージサービスを提供可能とする方法。
出所 IIJ「カーボンニュートラルデータセンター実現への取り組み」、2022年7月28日
表1に示すように、2000年代に入り、GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)などのメガクラウド事業者によるデータセンターのハイパースケール化(大規模・大容量化)が活発化し、世界的にハイパースケールデータセンターの開設が続いている。海外では、これらのハイパースケールデータセンターは省エネとともに、脱炭素に向けてコストの安い再エネの導入が活発化しており、グローバルな競争力の視点から、日本においても早急な対応が求められている。
表1 ハイパースケールデータセンターへと進展するデータセンター(従来型との違い)
ハイパースケールデータセンター:均一なスケールアウト(システムの処理能力を高めること)が必要なアプリケーションのために、必要に応じ構成要素を分離し、IT機器を高密度実装可能な、電力利用に最適化されたインフラとして設計され、5,000台以上のサーバを収容し、10,000SQF(≒1,000m2)※以上のフロア面積をもつデータセンターのこと
※換算式:SQF(ft2:Square Feet、スクエアーフィート)×0.093=m2(平方メートル)
出所 IIJ「データセンター市場の展望とIIJの取り組み」、2022年9月16日