[標準化動向]

NGNの標準化動向(3):NGN リリース1(勧告Y.NGN-R1)が2006年9月に完成へ!

2006/09/27
(水)
SmartGridニューズレター編集部

NGN リリース 1(勧告Y.NGN-R1)が2006年9月に完成へ!

前回は、2つのストラタムと3つのインタフェースから構成されるNGNのアーキテクチャの概要と日本の標準化における体制について、詳しく解説したが、今回は、NGNの標準化動向(1)で解説したITU-TにおけるNGNの標準化の体制およびNGN標準化動向について詳しく解説するともに、2006年9月に完成するホットな、NGN リリース 1(勧告Y.NGN-R1)についてその内容を紹介する。なお、今回からは総務省 電気通信技術システム課長の渡辺 克也氏がレポートしていく。

NGNの標準化に関するITU-Tの体制

本連載の第1回でも解説したように、ITU-TにおけるNGN標準化の体制は、図1のようになっている。図1に示すように、NGN標準化の体制は、NGNアーキテクチャを検討しているSG13(Study Group 13)と、信号(シグナリング)要件やプロトコルを検討しているSG11が中核となっている。

さらに、2006年1月にジュネーブで開催されたSG13の第4回会合以来、FG NGN (Focus Group on NGN)の後継グループとして、SG13や関連するSG11、SG19などの合同会合であるNGN-GSI (NGN-Global Standards Initiative) も動きだした。

図1  ITUにおけるNGN標準化体制
図1 ITUにおけるNGN標準化体制 (クリックで拡大)

NGNの標準化に関するSG13の動向

さらに、2006年7月における第5回NGN-GSI全体会合 (SG11、SG13、SG19合同会合) において、NGN リリース1(Release 1)の基本的な勧告を確定した。

今回、NGN リリース 1として確定されたのは、表1に示す16件のうち既に勧告済みであるNGNのモデルとNGNの定義の2件を除く14件である(うちSG13で12件、SG11とSG19において各1件)。

それぞれの文書についての詳細は後述するが、今回の会合では、基本的な部分であるNGNのスコープ(範囲)や要求条件、全体アーキテクチャをはじめ、受付制御機能(サービス制御機能とトランスポート機能を仲介して、それぞれのリソースの利用の可否の判断や予約を行うもの)、PSTN(Public Switched Telephone Network、公衆電話網)からNGNへの移行時の留意規定、セキュリティ要求条件などの勧告が議論された。

表1 確定されたNGN リリース1 関連文書
表1 確定されたNGN リリース1 関連文書 (クリックで拡大)

SG13会合で勧告草案 Y.NGN-R1を確定へ

NGN標準化におけるNGN関連SGの調整機能として、SG13に設置されているNGN-JCA (The NGN Joint Coordination Activity)が、2006年7月に開催され、そのなかで、NGN リリース 1の総括文書である勧告草案「Y.NGN-R1」(欄外の用語解説1参照)の完成時期を2007年9月にすることが確定され、NGN リリース1の完成時期が明確になった。今後、2007年9月の完成に向け、SG13をはじめとするNGN関連SGにおいて関連の勧告の確定がなされていくものと思われる)。

また、SG13に設置されているOCAF(Open Communications Architecture Forum)FGでは、既製の装置(Commercial-Off-The-Shelf)で容易にNGN を構成できるようにすること、とくに通信用ソフトウェアの標準コンポーネントを確立することを目指し、CGOE(Carrier Grade Open Environment)参照モデルや具体的なコンポーネントの検討を行ってきた。2006年9月の会合において新たな課題として設定されることとなり、こちらについても勧告の確定を目指し検討を進めていくこととなる。

今後想定される動向としては、2006年10月から11月にかけてNGN-GSIが開催されることとなっており、関連するWP(Working Party、作業班。所掌する課題を分割し、詳細を検討する)会合において、議論がなされる予定である。

ページ

関連記事
新刊情報
5G NR(新無線方式)と5Gコアを徹底解説! 本書は2018年9月に出版された『5G教科書』の続編です。5G NR(新無線方式)や5GC(コア・ネットワーク)などの5G技術とネットワークの進化、5...
攻撃者視点によるハッキング体験! 本書は、IoT機器の開発者や品質保証の担当者が、攻撃者の視点に立ってセキュリティ検証を実践するための手法を、事例とともに詳細に解説したものです。実際のサンプル機器に...
本書は、ブロックチェーン技術の電力・エネルギー分野での応用に焦点を当て、その基本的な概念から、世界と日本の応用事例(実証も含む)、法規制や標準化、ビジネスモデルまで、他書では解説されていないアプリケー...