[標準化動向]

IPTVの標準化動向(8):IPTV-GSI 第1回のレポート

=本格的なIPTVの勧告化を開始へ=
2008/03/03
(月)
SmartGridニューズレター編集部

≪4≫次回IPTV-GSI第2回会合は5月、ジュネーブにて

FG IPTVから続いてきたIPTVの標準化は、IPTV-GSIへとステージを移し、勧告化に向けてさらに一歩を踏み出すこととなった。

次回、第2回IPTV-GSIは2008年5月、スイス、ジュネーブで開かれ、SG16、9との同時開催となる予定だ。

【コラム】

SGを超えて関連テーマを議論する場「GSI」
ITU-Tでは、通常、さまざまなテーマに分かれて勧告化のための議論が行われるが、そのテーマごとの議論の場がSG(研究委員会)である。そのSGの下には、さらに細分化された議題を審議するために、最小単位の組織として「課題(Question:以下Q)」があり、この「Q」で議論が行われる(図4)。


図4 GSIのITUでの位置づけ(クリックで拡大)

通常SGの開催は年1、2回であるため、勧告化にはどうしても時間がかかってしまう。このため、市場のニーズに応えた早急な勧告化が必要な場合には、短期間で集中して議論する場として「FG(Focus Group)」が設けられている。IPTVの場合は、SG13の下に組織されたFG IPTVがこれにあたる。

一方、GSI は、関連する課題を解決したり、複数のSG間の連携を推進するために、あるテーマについて集中的に議論する場である。このGSI は、FGから提出された文書を勧告化したり残った課題を話し合う場であるため、複数のQが集まっている。IPTV-GSIの場合は、10数個のQが集まっている。

GSIという組織は、ITU-Tで、NGNの標準化を加速させるために、2005年9月のSG13第3回全体会合で設立されたNGN-GSIが最初の例となる。FGについては、「A.7」という文書に基づいて組織されるが、GSI についてはこうしたルールはなく、NGN-GSIの前例のみである。

以下にIPTV-GSIの組織形態と機能について、フォーカス・グループ(FG)やスタディー・グループ(SG)との違いをまとめた(表3)。

  SG FG GSI
勧告承認(Consent) できる できない できない
参加メンバー ITU-Tメンバー 誰でも可 ITU-Tメンバー
内部構造 Q、WP WG SGの異なるいくつかのQ
会合頻度、存続期間 年1、2回開催
4年に1度SGの構成を見直し
4~5回/年程度
存続は原則1年
4~5回/年程度
IPTV-GSIに関しては存続期間は1年
文書へのアクセス ITU-Tメンバー専用アカウント 制限なし ITU-Tメンバー専用アカウント
拠り所 A.1 A.7 なし
NGN-GSIの前例

表3 SG、FG、GSIの違い

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