たで始まるスマートグリッド用語
2014年10月29日 20:18
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ダイナミックプライシング
- [Dynamic Pricing]
- 読み方-
- 内容電力需要に応じて、電気料金を変動させる方式
スマートメーターの導入によって、「デマンドレスポンス」[→]が実現され、「電力ピーク時」において需要家(例:家庭)の電力の使用を抑制したり、電力のピークシフトを促したりすることによって、全体の電力消費量を低減させることが可能となる。これと連動させて、需要家の電力使用量を制御するために「ダイナミックプライシング」(電力料金の価格変動設定)によるインセンティブ(割引きなど)をもたせた電力料金体系の設定が可能になる。例えば、(1)緊急ピーク料金(CPP:Critical Peak Pricing)の設定によって、電力会社が設定したピーク電力を超えそうな場合に、電力の利用金額を高くして需要家の利用を抑制する。(2)ピークタイムリベート(PTR:Peak Time Rebate)料金の実施によって、ピーク電力時以外では電力の使用料金を下げて、電力が豊富な時間に需要家の利用を促すなどの料金体系によって、安定した電力の供給体制を実現する。
太陽光発電システム
- [Photovoltaic Power Generation System]
- 読み方たいようこうはつでんシステム
- 内容太陽光のエネルギーを電力に変換する発電システム
(1)フォトダイオード(セル)で発電太陽光発電(システム)は、太陽電池による発電、あるいはソーラー発電、PV (Photovoltaic、フォトボルタイック)とも言われる。基本的には光が当たったときだけ電流が流れるフォトダイオード(セルと言う)が使用される。セルとは、太陽電池の基本単位(太陽電池素子そのもの)のこと。セルを必要個数並べて、屋外で利用できるように強化ガラスなどで保護し、パッケージ化したものをソーラーパネルあるいは太陽電池モジュールと呼ぶ。(2)DC-DC コンバータ/DC-AC コンバータで変換セル1個の出力電圧は直流0.7V程度の電圧であるため、例えば30個集めて太陽電池モジュール(ソーラーパネル)をつくると、30× 0.7V= 21V(直流)となる。これを家庭の交流100Vにするには、もっと電圧を挙げなければならないので、何枚ものソーラーパネルを並べたり、DC-DC コンバータ(直流-直流変換器:インバータあるいはパワーコンディショナーともいわれる〔PCS[→]〕)で昇圧したりする。さらに、DC-AC コンバータ(直流-交流変換器)を使用して直流を交流に変換し、家庭で利用できるようにする。
太陽電池の種類
- [Types of Solar Cell]
- 読み方たいようでんちのそしであるセルのしゅるい
- 内容太陽電池の素子であるセルの種類
太陽電池は、大きく分けてシリコン系と化合物系に分類されている。現在主流となっているシリコン系の太陽電池は、さらに、(1)「結晶系」と(2)「非結晶系〔アモルファス。薄膜シリコン〕」に分類できる。このうち結晶系は、さらに単結晶型と多結晶型に分類されるので、シリコン系太陽電池は
(1)単結晶シリコン型の太陽電池(歴史もあり変換効率がよいが、高価である)
(2)多結晶シリコン型太陽電池(変換効率は単結晶より低いが安価である)
(3)アモルファスシリコン型太陽電池(結晶型に比べて変換効率低いが製造コストは安価である)
の3種類に大別できる。現在、多結晶シリコン型がシェアのトップであるが、今後、材料の品質の向上や技術革新によって、シェアが変化されることも予想されている。なお、最近、非シリコン系のCdTe 系太陽電池[→]も注目されている。
太陽熱発電システム
- [Solar Power System]
- 読み方たいようねつはつでんシステム
- 内容太陽からの「熱エネルギー」を活用して発電する仕組み
太陽電池で発電を行う「太陽光発電」と異なり、太陽から伝達されてくる「熱エネルギー」を活用して発電する仕組みである。発電の仕組みは、「火力発電」と同じであり、太陽熱を集光して水を蒸発させ、その蒸気で蒸気タービンを回して発電する方式。最近は、日本国内よりも中東、北アフリカ、中国、インドなどのエリアにおける有望な輸出エネルギー技術として再び注目されてきている。太陽熱発電は、通常「集光型太陽熱発電」と呼ばれ、次の4つの方式がある。
(1)タワー型(Solar Power Tower)
タワー型太陽熱発電は、ヘリオスタット(Heliostats)と呼ばれる平面状の集光ミラーを多数用いて、通常はタワーの上部に置かれる集熱器に太陽の動きを追尾しながら集光し、その熱で蒸気を作り発電を行うシステム。
(2)トラフ型〔Parabolic Trough、雨樋型(あまどいがた)〕
トラフ型太陽熱発電は、雨樋状に伸びた曲面の集光ミラーを用いて集熱管に集光することによって集熱管内の熱媒を加熱し、蒸気を生成し発電を行うシステム。
(3)フレネル型〔Fresnel Solar Reflectors〕
トラフ型太陽熱発電と似ている技術。平面またはわずかに曲がった長い集光ミラーの角度を少しずつ変えて並べ、数m上方にある集熱管に集光して、蒸気を生成し発電するシステム。トラフ型の曲面集光ミラーよりも製造が容易である。
(4)ディッシュ型(Parabolic Dish)
ディッシュ型太陽熱発電は、放物曲面状(お皿状)の集光ミラーを用いて集光し、焦点部分に設置されたスターリング・エンジン(熱交換型機関)やマイクロタービン等によって発電を行うシステム。